幹事クリタのコーカイ日誌2008

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4月10日 ● もっとも簡単な儲け話。

 名古屋市の地下鉄久屋大通駅の自動券売機の釣り銭用の紙幣を入れ間違え、計25万2000円を余分に支払った、という報道がありました。券売機の釣り銭用として入れる千円札を誤って1万円札、5千円札、千円札の3種類の紙幣を入れたそうで、利用者が1万円札で200円の切符を買った場合、最高で9万800円の釣り銭が支払われた可能性があるそうです。

 これまでに「貰いすぎた」と申告してきた人は1人だけだそうですが、そりゃあ普通は言わないでしょ。間違いに気づかない人もいたでしょうし、「あれ?」と不審に思っても損はしていないと思えばそのまま財布に入れて立ち去った人もいたと思います。

 中には「もしかしたら釣り銭の紙幣が間違っている?」と思って、さらに券を購入した人もいるかも知れません。その場合、3種類の紙幣が入っているわけですから、正しい千円札が出てきて「残念!」となって余計な乗車券のみが残った人もいたでしょう。その状況を想像すると名古屋市交通局には申し訳ないですが、ちょっとテレビのドッキリ番組みたいで笑えます。

 実は僕も昔、似たような経験をしたことがあります。もう10数年前になりますが、中央自動車道のとあるサービスエリアでハイウェイカードを購入しました。1万円のハイカを買ったつもりが、出てきたのは3万円のハイカ。一瞬蒼ざめました。「間違って3万円買ってしまったよ!」。しかし、どう考えても自分は3枚も1万円札を投入していません。となると、間違っているのはハイカの販売機ということになります。

 心を鎮めて試しにもう1枚1万円のハイカを購入。なんと、またまた3万円のハイカが出てきたのです。「どひゃー!」。びっくりです。どうやら1万円のハイカのところに間違えて3万円のハイカが入っているみたいです。とんでもないミスです。

 僕は、ここで思いっきり悩みました。「白クリタ」は、「これはちゃんとサービスエリアの事務所に届けて、間違いを教えてあげた方がいい」と。逆に「黒クリタ」は「持っている金を全部つぎ込んでハイカを買え!1万円が3万円になる大チャンスだぞ」と。マンガでよくある白い天使と黒い悪魔が頭の両側にいて耳元で囁いているみたいです。

 悩んだ末、僕は「灰色クリタ」になってしまいました。そのまま何も言わずにサービスエリアをそそくさと立ち去ったのです。「儲け損なった」と思うよりは「悪いことをした」という気持ちの方が強かったのを覚えています。後でよく考えたら、3万円のハイカのところに1万円のハイカが入っていた可能性が高いので、きっと損をした誰かが気づいてすぐに間違いは直されたんでしょうね。

 今回地下鉄の券売機から1万円札のお釣りを手にした人はどう思っているんでしょう?僕と同じように「悪いことをした」と思いながら財布の中を見ているんでしょうか?それとも「もっと釣り銭を貰えばよかった」と後悔しているんでしょうか?合計6万円分のハイカを手にした僕は、その後しばらく高速道路を走るたびに多少の罪悪感を覚えていましたが、地下鉄に乗るたびに罪悪感なんて、きっと感じてないだろうなぁ。