幹事クリタのコーカイ日誌2008

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4月2日 ● 巨人連敗の原因は原監督の怯え。

 巨人が泥沼から抜けられなくなっています。わざわざエース上原を開幕戦から外してまでここに合わせてきた中日との本拠での3連戦。中日には負けたくないという原監督の強い意思が感じられます。対する中日は昨年の勝ち頭の中田。どちらも負けたくはない1戦ではありますが、負けなしの中日と勝ちなしの巨人とではかかるプレッシャーが段違いです。

 立ち上がりは上原も快調でしたし、巨人の重量打線も好調でした。左打者が中田から快音を発して先制。完璧な序盤でした。しかし、中田が尻上がりに調子を上げるにしたがって、巨人打線は沈黙。こうなると勝っていないチームの焦りがじわじわと自らの首を絞め始めます。プレッシャーが選手たちに重くのしかかっているようです。

 ウッズ、李と中軸の打者に打たれて同点にされた上原。味方が追加点を取ってくれないのを必死で守っていましたが、ついに9回表に中村紀に一発を浴びてしまいます。最終回、中日は守護神岩瀬が出てくる以上、この1点はそのまま巨人と上原の負けを決定づけてしまいました。巨人は開幕からついに4連敗。ライバルの中日と阪神が快調に飛ばしているだけに、このスタートダッシュのつまずきはずっと響きそうです。

 こうなった原因の全ては開幕投手に上原をもってこなかったことにあります。確かに昨年の日本一中日は巨人にとって一番の強敵でしょうし、4番とエースを強奪したヤクルトは明らかに格下でしょう。だから上原を中日戦に回すという判断も理性的にはわからなくはありません。しかし、それはヤクルトに対する驕りと、中日に対する怯えを監督自ら表明していることに他なりません。それが敏感に選手に伝わってしまい、この結果を生んだのだと思います。

 ヤクルトは4番とエースを奪われたことで、巨人にだけは負けたくないという強い意志を持っていました。そのヤクルトの「殺気」を原監督が感じられなかったのも、中日に対して怯えていたからです。そもそも巨人は昨年のリーグ覇者。その上に強力な補強をして明らかにセ・リーグで一番の戦力を持っているのです。だったらいちいち相手に合わせていないで、横綱相撲を取れば良いのです。開幕投手に上原をもってきて勝ち、チームを勢いに乗せてしまえば、その後に中日が控えていたって問題なかったことでしょう。

 ところで阪神の新井に対してファンがブーイングを浴びせた広島は、ヤクルトのような「殺気」を持てなかったのか、やはりかつてのチームメイト金本にボコスコに打たれて負けました。エースと4番を失ったのはヤクルトと同じでも、それが外国人か日本人かの差はこういうところで出るのかも知れません。外国人が去っていってもチームの士気は下がらないけれど、日本人の主力が出ていくショックはより大きいのでしょう。今年福留、そして来年川上と岩瀬が出ていきそうな中日も他人事ではありません。