ここのところずっとトップニュースになっていた日銀総裁人事ですが、結局野党の反対で参院で武藤新総裁案は否決されてしまいました。これで福井総裁の任期切れまでに新総裁人事はまとまらず、どうやらこの「経済大国」ニッポンの中央銀行のトップが空席になるという非常事態が現実になりそうです。

　民主党はこれで国民に対して存在感を示すことができたと満足しているのかも知れませんが、正直この作戦は大失敗だと思います。国民は日銀総裁に誰がなろうとあまり興味はありませんが、こうしたことで日本経済がさらに低迷することは懸念しています。これだけ円高株安が進行し、企業の収益力は落ちてきているし、低金利に腹を据えかねて、なけなしの預貯金を投資に回し大損している庶民もたくさんいます。

　なのに民主党はくだらないことで徒に政局を混乱させているとしか見えません。民主党が武藤新総裁案に反対している理由はこじつけにしか見えず、自分たちの利益だけを考え国民の生活をないがしろにしているように感じられます。むしろ責任政党としての自民党を見直す気分すらあります。新聞各紙も今回の件で民主党を支持している論調はありません。

　繰り返しますが、国民は日銀総裁の人事になんてほとんど無関心です。だからこれを政局化しても民主党に得はなく、むしろマイナスです。民主党は今や万年野党ではありません。なんでも与党案に反対していればいいわけではないのです。国民のために戦うべきところを勘違いして経済を混乱させているようでは、とても政権は任せられません。対案も示さずに無責任に反対を唱えていれば存在感が示せると思っていたら大間違いです。

　まあ正直なところ、日銀総裁なんか誰がなっても変わらないのかも知れませんけどね。今の状況では金利を上げるわけにもいかないし、打つ手は多分ごく限られているのでしょうから。ただ市場からますます日本経済が見放されて、これ以上株価が下がるのは勘弁して欲しいです。たださえお金ないんだから。