幹事クリタのコーカイ日誌2008

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3月10日 ● 五輪代表はなぜ中村が当確なのか?

 北京五輪の代表選考会を兼ねた名古屋国際女子マラソンは、多くの有力選手が出場していたにも関わらず、初マラソンの中村友梨香が優勝しました。タイムは2時間25分51秒。大阪で2位、日本人トップになった森本友の記録に17秒遅れただけに、この2人のどちらを五輪代表に選ぶかまた揉めるかなと思ったら、なんと沢木専務理事は「選考は難航しない」と明言しました。どうやら中村がすんなり選ばれるようですが、結果的にそうなるのは僕も賛成ですが、レース直後にいきなり責任者が明言するのはちょっとおかしいんじゃないかと思います。

 女子マラソンの代表選考を巡るゴタゴタは、今や毎回お馴染みというか、五輪前の恒例行事になっています。それは代表枠が3人なのに、選考レースがそれ以上にあるから。東京、大阪、名古屋の3レースに加えて、前年夏の世界選手権もあるし、時には北海道マラソンが選考レースになることもあります。各レースはそれぞれメディアがバックについているだけに、陸連としても顔を立てて代表選考会から外すわけにもいかないらしいのですが、条件の違うレースの成績を元に比較して代表を決めようとすれば、おかしな結果が出てくることも当たり前です。

 今回は世界選手権で3位に入った土佐礼子と、東京で優勝した野口みずきがすんなり決定。残る1枠を大阪2位の森本と名古屋の日本人トップで比較して決めるということでしたから、名古屋を走る選手は、最低でも優勝して森本のタイムを上回ることが条件だと言われていました。

 ところが今回優勝した中村は森本のタイムより17秒遅れました。条件を満たしていないのに「難航しない」と言い切るのは、もともと選びたい選手が決まっているからだと邪推されかねません。ベテランで実績のある土佐と野口が決まっているだけに、残る1枠は若手で伸び盛りの選手を選びたいと考えていることはわかります。初マラソンの中村はそういう意味では資格十分。2位の森本よりも優勝した中村の方がタイムは下でも内容は上だという判断も理解できますし、フレッシュで期待の若手を北京に連れていって経験を積ませようという意図も明らかです。

 しかし、それであっさり決めてしまっては浮かばれないのが森本です。自分よりタイムが悪いのにどうして中村がすんなり選ばれるのか。この2人は同じ天満屋所属なので、今までのようにゴタゴタ揉めることはないだろうと、たかをくくっての発言だと思いますが、過去のトラブルがあるだけに、もう少し慎重を期してもらいたいと思います。

 それから注目されながら惨敗に終わった高橋尚子。多分ダメだろうとは思っていましたが、レース後に半月板の手術をしたばかりだったことを明かしました。レース前にはそういうことは言わないものなんでしょうけど、負けてから言うと言い訳、弁明のような印象を与えてしまいます。引退は否定しましたが、もう第一線からは退いたということでしょう。これまでの功績を考えれば十分ですから、後は晩節を汚さないように周りがうまくサポートして欲しいです。