幹事クリタのコーカイ日誌2008

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1月25日 ● 愛知県民のパトランプ好き。

 日本テレビ系列で昨年秋から放送している『秘密のケンミンSHOW』(「どっちのケンミンSHOW」だと勘違いしている人が結構いるのが検索するとわかります)という番組があります。東京を除く日本全国の都道府県の一風変わった独自の常識や習慣(=秘密)を面白おかしく取り上げて笑っちゃおうという番組です。

 で、これだけ聞くと、何だまた東京独特の「上から目線」の地方蔑視番組か、と思いきや、実はこの番組の制作は大阪の読売テレビ。ですからどちらかと言うと、東京を「無視」して地方文化礼賛番組になっています。地方の文化を笑いながらも肯定的というところがいかにも大阪のアプローチです。

 ただ取り上げる「秘密」がどうも納得いきません。過去に愛知県も何回か取り上げられているのですが、どれも愛知県民歴47年の僕がクビを捻るモノばかり。最初は「愛知県の稲沢市では新築の家で便所開きをする」という珍奇なもので、僕は初耳でした。一度としてそんな話は聞いたことがありません。いわゆる「名古屋本」でもそんな話が書いてあった記憶がないのですが、どこにネタ元があったのでしょう?全く嘘ではないのでしょうが、すごく特殊な例を取り上げたものだと思いました。

 2回目は「愛知県民は“つけてみそ かけてみそ”なしでは生けていけない」ということでしたが、それも嘘です。確かに味噌カツはポピュラーですが、ソースで食べる人も多いし、ましてや白い御飯に味噌をかける人なんて聞いたことがありません。大げさに話を作っているなぁという感じでした。

 3回目は「愛知県民はあんこの缶詰を常備している」とかで、なんにでもあんこをかけて食べるというこれまた嘘八百。名古屋名物と言われる小倉トーストですら滅多に食べないという人がほとんどなのに、コーヒーにあんこを入れて飲んでいる人なんて、これまた見たことがありません。

 かくも毎回嘘ばかりだと、他県の話も眉唾だと思ってしまいます。検証をきちんとしないで面白ければ良いだろうという姿勢はいかにも大阪的。それで関西テレビも「あるある」事件を起こしたのに、大阪のテレビ局は全く懲りていません。きっと「あるある」と違って冗談みたいな番組ですから許されると思っているのでしょう。

 ただ昨晩放送の「愛知県では街中にパトランプを設置する」というのは初めてこの番組で納得できました。確かに愛知県の店舗にはやたらと看板の上にパトランプが置いてあって、クルクル回りながら「営業中」を知らせています。これは愛知県民も気づいていなかった愛知県の特色だと思いました。恐らく喫茶店激戦区で、しかもクルマ社会の愛知県だからこそ、夜間でも目立って一目で営業中であることがわかるパトランプが重宝されているんでしょうね。

 ところでこの番組、「嘘が多い」以外にもうひとつ気になるのが「大阪偏重」。いくら読売テレビ制作だからと言って、毎回毎回大阪だけいろいろと取り上げるのはちょっとうんざりします。結局大阪自慢かよ、と。それも東京に対抗する「地方の代表」みたいな顔で大阪を取り上げるのがどうもねぇ。勝手に大阪に代表されたくないんですけど、と思ってしまいます。基本的な姿勢には好感がもてるので、あくまでも大阪も他の都道府県も(東京も一地方として)均等に扱って欲しいんですけど、大阪のテレビ局にそんなことを望むだけ酷なんでしょうね。