幹事クリタのコーカイ日誌2008

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1月19日 ● 『鹿男あをによし』第1回。

 個人的には『あしたの、喜多善男』と並んで期待のドラマ『鹿男あをによし』。期待の理由は原作があってストーリーがしっかりしていることと、共同テレビ制作で鈴木雅之演出ということ、そして最近めきめきとコメディで実力を発揮している玉木宏、綾瀬はるかというキャスティングによります。

 その第1回ですが、原作があるドラマの弊害とでも言うべきでしょうか、キャラクターと設定の紹介、伏線を張ることばかりで終始してしまい、特に何も始まらないままに終わってしまいました。じっくりと構えて見るつもりの視聴者はともかく、大半の予備知識もなく見始めた視聴者は、これでは2回目は見てくれないのではと心配になります。もっと「つかみ」をしっかりやらないと。

 ただ自分としては期待以下でも以上でもなかったという印象でした。玉木宏のコミカルな「俺さま」演技は「のだめ」を引きずっていますが悪くはありません。綾瀬の天然っぷりもすっかり板についてきた感じで、このままではもう彼女は真面目なラブストーリーは無理かもと思わせるほどです。

 問題は2回目以降で、今後ますますシュールな設定のドラマになっていくわけですが、ちょっと1回目はわざとそのシュールさを隠して「ちら見せ」程度ですませていたので、果たしてこれからの展開に視聴者がついていけるかどうか。昨年の『歌姫』同様に、せっかく良いドラマなのに前半のモタモタが災いして低視聴率に泣く気がしないでもありません。

 ちなみに「あをによし」は奈良にかかる枕詞で、万葉集の「あをによし奈良の都は咲く花の にほふがごとく今盛りなり」(小野老)が代表的な歌です。蛇足ですが、「なんだっけ?」と聞いてくる人がいそうなので。