幹事クリタのコーカイ日誌2008

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1月3日 ● 『ホームレス中学生』を読んでダイエット。

 昨年末からまたちょっとずつ体重が増えてきているのですが、今年の正月はご馳走続き、外食続きでかなりヤバイ状況にあります。特に今年は牛肉率が高くて、すきやきばっかり食べている感じ。また食事時間以外も座ってテレビを見たり本を読んだりしているだけですから、ついつい口寂しくておやつを食べちゃうし。挙げ句に寒さで外出したくないので運動不足は募るばかり。マジでヤバイです。

 こんな正月で太らない方がおかしいのですが、せめて何か歯止めになるものはないかと考えて、田村裕の『ホームレス中学生』を読んでみました。すでにさんざん中身は聞かされているので今さらですが、暇つぶしに改めて読んでみたら、久しぶりに「ひもじい」という感覚が少し甦りました。

 今の世の中は本当に「飽食の時代」も極まった感がありますが、僕たちが子どもだった昭和30〜40年代は、「飢え」まではいかなくとも「ひもじい」という感覚は十分に残っていた時代でした。給料日前は家に米が足りないとか、おかずがぐっと寂しくなるとか、おやつはお母さんの手作りのイモのふかした奴だとか、それがそのまま夕食のおかずになって出てくるとか。誕生日のご馳走はステーキなんか夢の夢で、頑張って鶏の腿肉だったし、ケーキもバタークリームのくどいやつ。子どもたちはいつもお腹を空かせていて、学校で一番楽しい時間は給食でした。

 『三丁目の夕日』な世界から『ちびまる子ちゃん』の世界への中間地点が僕の子ども時代でしたから、世の中はどんどん年を経るに連れて豊かになってきていて、明るい未来を夢見ながら「お腹すいた〜」と毎日母親に訴えていた気がします。田村の中学生時代は平成になってからの話ですから、ちょっとここまで貧乏なのは特殊な事例ですが、「空腹感」をよく知る世代としては、そこに共通する身体感覚を見出すことができました。

 ひるがえって今の自分の食生活を考えると、この40年で余りにも遠くへ来てしまったような気がします。いつも家庭に食料は常備されているし、外食も日常茶飯事。高級食材を使った料理もいろいろ味わって、ミシュランの星の数をうんぬんするなど、どこの王侯貴族かと。ただの貧乏育ちの庶民が調子に乗って勘違いしてはいまいかと。かつて『美味しんぼ』の中で「いつでも好きな時にとんかつが食べられるくらいの生活なら十分だ」というような話がありましたが、本当にその通りだと僕も思います。

 そうやっていろいろ反省して考えているうちに、少し「食」に対して謙虚な気持ちになってきました。美味しい御飯と味噌汁とシンプルなおかずが味わえるだけで感謝しなくては。ましてや料理を残すなんてもったいない、ちゃんと出されたものは全部美味しくいただかなければ。あれ、でもそれじゃあダイエットはできないなぁ。