幹事クリタのコーカイ日誌2007

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12月24日 ● M−1グランプリの限界。

 2001年から始まって今年で7回目のM−1グランプリ。すっかり年末の風物詩として定着してきました。またその権威も当初よりかなり高くなってきて、島田紳助の「お笑い界のドン」を目指す一里塚になった感もあります。彼と同世代やちょっと下のお笑い芸人にとっては紳助のこのやり口はイヤだろうなとも思います。大会委員長に収まっている紳助が「目の上のたんこぶ」化するわけですから。

 まあお笑い界の権力争い、派閥抗争問題は置いといて、肝心のM−1の内容ですけど、今年は平均点が高かったという印象でした。去年のチュートリアルのように爆発的というか、神がかり的な面白さはどこもありませんでしたが、残念で寒いコンビもありませんでした。2年連続最下位に沈んだポイズンガールバンドですらそれなりに面白さはありました。まして上位3組はどこも甲乙つけがたく接戦だったという印象です。サンドウィッチマンの優勝は僕もそう思ったので納得ですけど、他の2組になっていても特に異論はないという程度の差でした。

 ただ見ていて「つまらない」と思ったのは、どのコンビのどのネタも、ほとんどが「実はオレ、○○になりたかってん」的な入りだったこと。4分という制限時間の中でサッとネタに入るにはそのパターンが一番安定感がある定番の入りなんでしょうけど、ああまでどのコンビも同じだと「またかよ」とちょっとウンザリしてしまいました。まるで合唱コンクールの課題曲を聴かされているようで、飽きちゃうんですよね。今回平均点が揃っていると感じたのも、爆発力に欠けると思ったのも、多分にそのせいのような気がします。

 そもそもM−1のシステムそのものも、そろそろやり方を変えて新機軸を見せていかないとダメな時期にきたと思います。定着したということは見飽きたということでもありますから。「お笑いプロデューサー」として天才的な冴えを見せている紳助がそのあたりをどう読んでいるか、来年以降の展開が楽しみです。