幹事クリタのコーカイ日誌2007

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12月2日 ● ドラクエのマーケティング。

 ニンテンドーDSでプレイできる「ドラクエ4」が発売されています。今さら4かよとは思いますが、今後4〜6の天空シリーズが順次DS用にリリースされるらしく、DSで出る新作「ドラクエ9」が発売されるまではこれでつなぐかという思いもあります。

 それにしても巧みなマーケティングです。そもそもあのドラクエを携帯用ゲーム機のDSで出すという発想が凄いですが、それはもちろん一番普及しているゲーム機で出せば一番売り上げが伸びるという、ある意味当たり前のことですが、一度はソニー側に寝返ったのにPSPではなくDSという厚顔ぶりも大したものです。しかし、とは言え僕らのようにドラクエ1から発売されるごとに順番にやってきた年寄りには「DSかよ」という抵抗があることも確かです。やっぱりドラクエはテレビ画面でやってナンボだろうと固定観念で思っていますから。

 そこで、まずはそういうオールドファン向けに4をDSで出したわけです。DSに慣れてもらうため(もっと言えばDSを買ってもらうため)に、懐かしい4を出して練習しておいてください、というスクエアエニックスからのメッセージがそこに込められています。オールドファンにDSに慣れさせることと、DSの普及台数をさらに増やすこと、そして9が出るまでのつなぎという一石三鳥のマーケティングです。

 思えばドラクエは最初にRPGに慣れてもらうために、敢えて1作目をシンプルにしてありました。パーティも組まず単純なマップと単純なシステムでゲーム世界に慣れてもらうことが1作目の目的だったのです。それ以降少しずつ複雑な要素を盛り込んで、ついに4でRPGとして完成したという感じでした。

 ドラクエはもちろんゲームとして完成度が高いからこそこれだけの支持を未だに得ているわけですが、しかしゲームの魅力だけではない、こうしたマーケティング戦略がドラクエの人気を裏で支えていることもまた事実だと思います。