幹事クリタのコーカイ日誌2007

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11月6日 ● 誰だって「オザワ」りたい。

 「アベる」に続いて「オザワる」が流行るかどうかはわかりませんが、誰だってみんな小沢一郎のように自分の好き勝手を言って、聞いてもらえなかったら「ダメな奴らだ」と捨て台詞を吐いて全部放り出してみたいことでしょう。そんな「オザワ」の振る舞いは、政治家としてだけではなく、大人としてダメだろうと思いますが、反面羨ましくもあります。

 仕事をしていればうまくいかないことなんて山のようにあります。むしろ、仕事というのはうまくいかないことを、何とかうまくいかせるようにすることです。特に上司であれ部下であれクライアントであれ、人を思うように動かすのは大変です。いちいち自分の思惑通りにならないからからと言って「ダメな奴」呼ばわりして仕事を投げ出していたら社会人失格でしょう。

 20代の若いうちならまだそういう甘えも時として大目に見て貰えるかも知れませんが、僕らの年代になったら、何とか誤魔化しても繕っても、平然としてこなしていかなければなりません。今さらギャーギャー騒げるような年齢ではないからです。

 仕事だけではありません。相手が家族であれ友人であれ恋人であれ、必ず「もうオザワりたい!」と思う瞬間が誰にでもあります。そもそも自分の都合のために他人は存在しているわけではないのですから、むしろ利害がぶつかるのが当然で、そこをお互い切れずに何とか妥協して調整して乗り切っていくのがコミュニケーションというものです。そして、そのコミュニケーションの達人のことを時として我々は「政治家」と呼んでいます。それくらい政治というのは利害の調整が大変だからです。

 しかし、小沢一郎はそういう政治家ではどうやらないようです。過去の彼の来歴を見ても、ひたすらオザワってきています。理想を追い求め、それについてくる仲間を集め、ついてこられないと見るや放り出してしまう。作っては壊し、また作っては壊し。それでも見捨てられずに、今も民主党代表に留まるように慰留されているのですから、なんと幸せな人生でしょう。

 誰だってみんなオザワってみたいけれど、なかなか真似できないのは、オザワった後が本家オザワのようにはいかないからです。あー、僕もあれやこれやを切り捨ててオザワってみたいです。後できっと後悔するでしょうけど。