幹事クリタのコーカイ日誌2007

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10月27日 ● 日本シリーズは中日有利と見た。

 日本シリーズがいよいよ始まります。マスコミ報道を見ていると、前年チャンピオンである日本ハム有利という予想が多いようですが、どうもマスコミは去年に続き日本ハム贔屓に感じます。常に中日を仮想敵にする意図がよくわかりませんが、僕の見るところ互角、もしくは中日が有利だと思います。

 マスコミが日本ハムを有利としているのは、ダルビッシュがいるから、に尽きるようです。彼が2勝するから日本ハムが有利だと。確かに今シーズンのダルビッシュは素晴らしい投球を年間通じてしました。しかしいくら彼が素晴らしいピッチャーでも絶対勝てるわけではありません。ダルビッシュと投げ合うのは中日のエース川上ですし、また仮にダルビッシュで2勝しても残り2試合を日本ハムはどうやって勝つというのでしょうか?稲尾や杉浦の昔ならともかく、毎試合ダルビッシュが投げられるわけでもないのですから、二番手以下の先発投手を冷静に比較すべきです。

 それに過去の日本シリーズを見ても、シリーズの流れを決めるのはエースよりも中心打者の好不調です。バースが打てば阪神は勝ち、松中が抑えられればソフトバンクは負けました。常に4番を抑え込むことがシリーズの趨勢を決めるポイントなのです。

 中日も日本ハムも出塁率が高く足も速い1・2番と、勝負強い3番がいます。だから問題は4番を打つウッズとセギノールの両外国人の出来です。彼らは一振りで試合を決める力があります。だからこそ、彼らを抑えることができるかどうかが勝負の分かれ目になるのです。そして不調のセギノールに比べて、ウッズは好調ですし、そうじゃなくてもウッズの方が打者としては上です。

 エースの力は日本ハムが上でも、先発陣の層の厚さと抑え投手の安定感では中日が上。守備力はほぼ互角。選手の経験も昨年同じ相手と戦っているだけに大差はありません。似通ったチーム、互角の戦力の中で、最も差があるのが四番の差なのですから、ここは中日有利と見るのが妥当だと思います。

 しかも日本ハムは中日よりもCSから日本シリーズまでの試合が空いてしまった上に、その間にヒルマン監督がメジャーで監督就任が決定し、チームを放り出して渡米までしています。あのはしゃぎっぷりは心情的に理解できるとしても、やはりマイナスにこそなれ、決してプラスにはならないことでしょう。ヒルマンにしてみればリーグ優勝はしたことだし、来季のことを考えて気分はもうメジャーですから、今さら日本シリーズに勝とうが負けようが大した問題ではありません。

 逆に中日は阪神、巨人とのCSを最高のカタチで勝ち上がりながらも、目標はあくまでも日本一に絞っているので胴上げもせず浮かれたところがありません。日本一になれなければシーズン2位で単なるリーグ代表になったに過ぎなくなるからです。気持ちの入り方が違うということは、準備の万全さも違うということです。この点からも中日有利は動きません。

 もし中日が負けるとしたら、この気持ちの入り過ぎ、入れ込み過ぎで選手も監督も空回りした時でしょう。特に敵地札幌での2試合を2連敗したら、後はあたふたしたまま去年のように終わってしまう危険性大です。逆にダルビッシュに負けようとも2戦目を勝って1勝1敗で札幌を終えれば、名古屋で3タテして見事に去年と裏返しのカタチで雪辱を果たすことも可能です。多くのマスコミの予想では第1戦がシリーズの勝負を分けると言っていますが、僕はこの第2戦こそポイントだと考えています。中日のキーマンはウッズと中田。さて、どうなることでしょう。