幹事クリタのコーカイ日誌2007

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10月24日 ● 知人がバッシングされたら。

 ネットでなにかを調べている時に、突然「おっ」と思うような名前を見つけたりすることがあります。突然街角で古い知人に出くわしたような感じで、ネット上に知り合いの名前を見つけると驚きます。先日もSという女性の声優の名前を久しぶりに見ました。もちろんSは声優ですから一応は芸能人。ネット上で出くわしても不思議はないのですが、とは言え一般の人にはほぼ知名度ゼロです。それなのにWikipediaにちゃんと項目があることには驚きました。

 Sと知り合ったのはもう20年近く前で、まだ声優としてデビュー前、つまり単なる普通の女の子でした。当時20才そこそこでしたが、見た目はまるで中学生のような幼いルックス。本当にこんな子が芸能界でやっていけるのかと思っていたのですが、仕事が少しずつ増えていき、ゴールデンタイムのアニメに主役級で出演することが決まった時には僕も我が事のように喜びました。

 Sは東京西部の実家住まいだったので、普段は主にメールで(と言ってもインターネットではなくパソコン通信のメールでしたが)コミュニケーションを取り合い、時々僕が東京に出張で出かけた時に会って食事をしたり、彼女が好きな野球を一緒に見に行ったりしていました。また彼女が名古屋に遊びに来た時もあり、僕は長男が生まれて間もない頃だったのですが、家族ぐるみで彼女を歓待したものです。

 1990年代後半になると、Sはそこそこ仕事が増えて、CDを出したりラジオのレギュラー番組を持つようになり、かなり忙しくなったようです。僕もまた30代半ばは仕事も家庭もテニスも忙しくなった時期で、お互いに少しずつ疎遠になってしまいました。決定的だったのはメールをやり取りしていたパソコン通信サービスが時代の流れで休止になったことで、それ以降はしばらく年賀状のやり取りくらいはしていたのですが、それもいつの間にか途絶えてしまいました。

 僕はアニメファンでも声優マニアでもないので、Sがその後にどんな仕事をしていたのかも全く知らなかったのですが、最近は若い人気声優に取って代わられたのか、あまり名前を聞かなくなったなとは思っていました。そんなところで久しぶりにSの名前をネットで見かけ、懐かしくてそのリンク先から読んだ2ちゃんねるのスレッドに「性格悪い」「歪んでいる」なんてことまで書かれていてビックリしました。どうやらかつてどこかのイベントで、そう思われるような言動をとったらしいのです。

 しかし、僕が知っているSは素直で純粋な良い子でした。もちろん20代前半と30代後半ではある程度経験を積んで人前での態度は変わったかも知れませんが、きっと根は今でも素直な良い子だろうと思っています。だから2ちゃんでああいうことを書かれているのを読むと悲しいものです。最近、朝青龍に亀田兄弟、沢尻エリカと、何かとマスコミに袋叩きにされている有名人が多いですが、彼らの古くからの知人もまた別の彼らの顔を知っているんだろうなと思います。きっとそういう人たちは僕の何倍、何十倍も心を痛めていることでしょうね。もっとも、僕もここで彼らをネタにしているのでどうこう言えないんですけど。

 そうそう、SのWikipediaのエピソードを読んでいたら、そのうちのひとつは彼女が名古屋に来て僕と一緒の時に起きた出来事でした。雑誌のインタビューなどでその話をしていたのは当時読みましたが、なんだか懐かしくてちょっと嬉しかったです。