幹事クリタのコーカイ日誌2007

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10月23日 ● 松坂の「戦犯」回避。

 ア・リーグのリーグ優勝決定戦で1勝3敗の崖っぷちからタイに追いついたレッドソックス。勝負を決める第7戦の先発はローテーション通り松坂大輔。ここまでプレーオフ2試合に先発して5回を投げきったことがない松坂だけに、この大事な一戦で打たれるようなことがあれば戦犯扱いは必至です。たださえ1億ドルの投資は失敗だったと現地では書かれているらしいのですから、日本人としては期待よりも不安の方が上回ってしまいます。

 立ち上がりの松坂は順調。2回までは「おおっ、いいじゃん」と思わせましたが、なにせこれまでも途中からいきなりポカスカ打たれたりしているだけに、安心はできません。ただレッドソックス打線が順調に得点を重ねているのが救い。好投しても負け投手になっては意味がありませんから、打線の援護は多ければ多いほど助かります。

 3回を終わって被安打1で味方は3点リード。これは勝ちパターンにはまってきたかと思ったら、4回、5回と打たれて1点差に。幸い大量得点を阻むことができたので、最悪のシナリオにはならずに済みました。ただこのままでは不安。5回でお役ごめんかと思っていたら、予想通りに6回から岡島登板。日本人投手リレーというのも嬉しいですが、これで岡島が逆転されたらどうしようとまた不安になります。

 しかし、岡島は見事なピッチングで2イニングを無失点で切り抜けた。8回に交代しましたが、少なくとも日本人2投手が戦犯扱いされることはなくなりました。ボストンのファンは手厳しいというだけに、とりあえず一安心。8回裏にレッドソックス打線が爆発して一気に試合を決めてしまったので、最後は楽勝。松坂が勝ち投手になりまずはめでたしめでたしでした。

 今年の松坂はメジャー1年目としては良くやったと思います。なんだかんだ言っても1年間ローテーション投手として投げ続けての15勝。チームがリーグ優勝したのですから、普通なら十分に合格点です。それでも不満が残るのは「1億ドル」のせいでしょう。松坂の懐に入ったのではなく、西武球団に入ったお金なのに、松坂が悪く言われるのは理不尽だと思います。まあ昨日の1勝で少しはボストンのファンの風当たりも柔らかくなることを祈ります。

 そしていよいよワールドシリーズ。松井稼のロッキーズとの対決です。かつての西武のチームメイトがワールドシリーズで対戦するというのもなかなかドラマチックで良いですね。野茂がメジャーに身を投じてから12年。とうとう、日本人メジャーリーガーここまできたかと思います。野茂の苦労やイチローの活躍があって、このワールドシリーズがあるのです。その野茂がベネズエラのウィンターリーグで久々に登板したというニュースも入ってきました。年齢の壁を乗り越えての復活を期待しています。