幹事クリタのコーカイ日誌2007

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10月17日 ● 亀田ファミリーへの処分と復帰。

 亀田ファミリーにJBCが処分を下しました。亀田大毅本人は1年間の出場停止処分、亀田父は無期限のセコンド資格停止処分、亀田兄は厳重戒告処分、協栄ジムの金平桂一郎会長を3カ月間のオーナーライセンス停止処分ということで、僕としては「結果的に」妥当な処分かなと思います。

 恐らく世間的には兄弟に対する処分が少々甘いのではないかと感じられているのではないかと思うのですが、やはり子どもの頃からああいう父親に育てられてしまった以上、彼らがああいう風にしか振舞えないのは、ある程度仕方ないと思います。仮に自分の中で「これはおかしいのではないか?」という疑問を持ったとしても、あの状態で父に反旗を翻してきちんとした言動を取る事ができるかというと、まだ20才前後の若者には難しいでしょう。

 もちろん、同じ年頃の他のスポーツ選手たちはもっとちゃんとしているし、石川遼なんてあの年であの受け答えの大人っぷりは驚くほどですが、それはやはり両親やコーチなど周りの大人の指導が適切だからです。亀田兄弟の場合は、あの言動も父親の指導に素直に従っているだけなのですから、本人たちだけを責めるのはやはり無理があります。

 むしろ今回の処分で初めて彼らは親離れができるチャンスが生まれるのであり、そのためにもあまり重い処分は適当ではないと思います。ただし、今回の処分にも関わらず彼らの態度が改まらなかった場合は、次は当然より厳しい処分を課すべきですが。

 責任の大半はやはり父親を筆頭とした周りの大人たちにありますし、それを増長させたマスコミ、特にTBSが問題です。亀田父はライセンス資格剥奪処分でも良いと思いますし、TBSにも何らかのお咎めがあってしかるべきです。

 ただ「結果的に」妥当な処分になったと感じるのは、JBCが亀田ファミリーの行為に反発しつつも、その人気、話題性は手放すのは惜しいと考えていることがバレバレだからです。彼らが登場する以前、日本のボクシングは完全に人気低迷していました。昔は世界戦となればテレビでも高視聴率を獲得できたし、世界チャンピオンの知名度も高かったのに、今では亀田ファミリー以外まったく話題にならなくなってしまいました。

 東京キー局であるTBSとの関係も維持したいし、人気ボクサーも潰したくないというボクシング界の思惑が、今回の「甘い」処分に透けて見えます。ほとぼりが覚めたところで、「新生亀田ファミリー」として登場させれば必ず話題になります。処分はその冷却期間を設定しただけかも。その思惑が、亀田兄弟に厳罰は似合わないと思う僕の感覚と結果的に合致したということです。

 それと世間的には亀田ファミリー復帰の前に朝青龍復帰という一大イベントがありますからね。「うつ病一歩手前」状態が、ちょっとモンゴルに帰って温泉に入っただけで「完治」になり、仮病を使って巡業をさぼったことも忘れ、時津風事件で風化しつつあるのを良いことにしれっとした顔で復帰しようとしています。朝青龍の復帰がすんなりいくようなら、亀田兄弟の復帰も難しくはないことでしょう。