幹事クリタのコーカイ日誌2007

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10月16日 ● 『歌姫』『ハタチの恋人』『ガリレオ』第1回。

 秋ドラマが次々とスタートしています。個人的に期待している3本の第1回を見ました。まず金曜日の『歌姫』。僕には「長瀬にハズレなし」という思いがあります。キムタクは当たり外れが大きいのですが、長瀬智也のドラマは過去にハズレを見たことがありません。作品のチョイスもさりながら、やはり長瀬本人のスケールの大きさ、存在感というものが、どんなドラマでも強引に視聴者を引っ張ってしまえるからではないかと思います。

 この『歌姫』は昭和30年代の高知を舞台にした物語で、記憶喪失の復員兵という長瀬の役どころ自体がすでにはまっています。第1回でもその魅力は十分に発揮されていました。昭和の懐かしい風景の中で暴れ回る長瀬というドラマの狙いは達成できていますが、ただ長瀬以外に見どころが少ないことが残念。斉藤由貴の怪演は素晴らしいですけど、やはり長瀬に対抗できるスターが欲しかったと思います。まあ1回目としては合格点ですし、今後も見ようとは思いますが。

 日曜日の『ハタチの恋人』は、ドラマオープンニングから明石家さんまの演技が十年一日のごとく同じで、どこかで見たな感たっぷり。あのお調子者の関西人は見飽きました。また、彼が自分の青春時代を懐古するシーンは、同世代のオジサンたちを懐かしがらせようと狙ったのかも知れませんが、残念ながらありきたりで特別の感興はありませんでした。長澤まさみも相変わらず可愛いとは思いますが、小泉今日子の娘というのはちょっと無理めなキャスティング。年の離れた姉妹くらいにしか思えません。もちろん、さんまと長澤が恋人になるなんて極めて不自然な絵です。

 ただドラマの狙いである、さんまが長澤に恋をして、それによって生き甲斐を取り戻し本当の自分に気づく、というコンセプトはわかりやすくて良いと思います。50才の疲れた中年の再生のために20才の女の子が触媒になるというのはあり得るでしょう。そこをうまく表現できるかどうかがドラマの出来を左右することでしょう。

 月曜日の『ガリレオ』の第1回は原作の最初のエピソードを素直にドラマ化していました。もちろん短い時間で再現するために刈り取った部分はありましたが、原作を知らなくても十分に楽しめる仕上がりで良かったと思います。東野圭吾は主人公の湯川学について佐野史郎を思い浮かべて書いたと言われていますが、福山雅治の方がやはり絵になります。ワトソン役も原作とは異なり新人女性刑事として柴咲コウを起用したのも同様に福山と並んだ時の絵がはまって良かったですし。

 今後も1話完結で豪華ゲストが犯人役で出演するという形式で進むのでしょうから、古畑任三郎シリーズのように楽しめるドラマになりそうです。もっとも、犯人の造形が古畑に比べて深みが足りないというか、原作から比べても改悪に思えるのが残念。時間的にそこまで掘り下げられずにああいうカタチになったのでしょうが、唐沢寿明は納得していたのかなぁ?

 第1回だけの採点は『歌姫』70点、『ハタチの恋人』65点、『ガリレオ』80点といったところで、全て合格点。もっとも『ガリレオ』は1回ごとの点数の上下は激しくなりそうな気もします。