幹事クリタのコーカイ日誌2007

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10月1日 ● 秋元康という生き方。

 雨の週末となったこの土日。テニスも2時間やっただけで、大半の時間はのんびりしていました。家でのんびりしているとどうしてもテレビを見る時間が増えます。特に今は改編時期でスペシャル番組ばかりなので、余計にあれやこれやと「つまみ見」しがちです。

 昨晩は特に見たい番組が重なったために2番組を録画して1番組を見るということで対処しました。夜の早い時間帯は「大食い」と「風林火山」を録って「ビフォーアフター」を見る。その後は「大食い」と「法律」を録って「メントレG」を見ていました。

 でも面白かったのはその後の「情熱大陸」。秋元康を追うドキュメンタリーなのですが、50代になっても彼は相変わらずエネルギッシュに企画を続けていました。なぜいま秋元なのかと言えば原作小説『象の背中』が映画化されて公開されるということで、そのプロモーションを兼ねているわけですが、原作者でありながら広報の会議まで出席してアイデアを出すあたりがいかにも秋元らしいところでした。

 秋元はこの「情熱大陸」に取材されるにあたり、自ら番組の構成まで考えたということで、そのあたりも織り込みながらのドキュメンタリーになっているので「メタドキュメンタリー」風になっているのも面白いところでした。

 秋元康を見ていると、いかにも東京出身、いかにも私大出身、そういう臭いを強く感じさせます。ホイチョイプロダクションとか三谷幸喜とか泉麻人とかと同じ臭いです。僕のような地方の国立大出にはないスノッブさとか気取りとか軽薄さとか偽悪性とかです。

 ただ若い頃はそういう臭みがきつすぎて批判も浴びて嫌われもしたことでしょうが、50才ともなるとそれだけではない「真面目」さとか「粘り強さ」とかが隠しようもなくなります。そういう部分がなければ、実は地味な「企画」という仕事は続けられないからです。

 番組でもとにかくひたすら仕事をする秋元をずっと追っていましたが、彼の仕事ぶりは我々の業界にも共通すると言うか、かなり近いところがあり、見ていて共感できるというよりも痛々しくなってしまいました。自分の作りたいものを作る芸術家ではなく、あくまでも時代を追いかけ大衆に受けるものを作り続ける秋元の生き方は、いつかその時代に置いていかれる時が来ることでしょう。その日まで彼は走り続けるのかと思うと、因果な商売だなぁと思うわけです。自分たちの仕事も同じですから。