幹事クリタのコーカイ日誌2007

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9月28日 ● 力士リンチ殺人事件。

 大相撲の時津風部屋で起きた死亡事故は衝撃的なニュースです。死亡事故と言っても単なる稽古中の不幸な事故ではなく「傷害致死事件」として警察が立件をしようとしているのですから、実質的には「リンチ殺人」と呼ぶべきものであり、その重大度は朝青龍問題の比ではありません。

 なんだかんだ言っても朝青龍問題は所詮は相撲協会内部のことです。大事な巡業を仮病を使って休んだ横綱に対し、面子を潰された相撲協会が怒って、でも横綱なしでは興行的に苦しいとわかっているので曖昧な処分をしていたら世間のバッシングを浴びてしまったというだけで、本来は犯罪でもなんでもありません。だから相撲協会が「朝青龍復帰OK」と判断したのなら、世論はともかくそれで押し切れることです。

 しかし、新弟子に暴行して殺しておいて知らんぷりというわけにはいきません。社会的に制裁を受けるべき犯罪であり、しかもこうしたことが日常茶飯事に行われている可能性があるわけですから、相撲協会の根幹に関わる重大事件だと言って良いでしょう。

 ところがこの件に関して当事者である時津風親方こそ退職願いを出したそうですが、北の湖理事長は相変わらず呑気なコメントに終始していて、協会としての対応も鈍いとしか言いようがありません。一般企業なら大変なバッシングにさらされる倒産の危機であるにも関わらず、協会のこの態度は彼らにリスクマネジメントという観念そのものが欠落しているからでしょう。お国に守られている、いざとなったら誰かが助けてくれるという意識が彼らには強いのだろうと思います。

 しかし、仮に国が彼らを守ったとしても、ファンやアマチュア相撲関係者は今後も相撲協会を支持するでしょうか?なにより将来の横綱大関になるべき新弟子が、この先も入ってくるでしょうか?親は安心して子どもを相撲部屋に預けられるでしょうか?

 形式としては相撲協会が維持されても、ファンに支持されず新弟子も入ってこないような状況では早晩立ち行かなくなることは間違いありません。いま大変革を行わないと、相撲協会に未来はないと考えられるのですが、北の湖理事長がそこまでわかっているのかどうか、とても疑問です。金属バットで一度殴られた方が良いのは、相撲協会幹部の方でしょう。