幹事クリタのコーカイ日誌2007

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9月18日 ● 秋ドラマ展望。

 企画も俳優もライト級だった夏ドラマが終わり、いよいよテレビ局が本腰を入れる秋ドラマの季節になりました。俳優陣はかなり夏に比べて豪華ですが、果たして中身はついてきているでしょうか?

 まず話題のキャスティングはTBS系日曜夜9時『ハタチの恋人』。主演は明石家さんまと長澤まさみ。50歳の中年男と20歳の専門学校生の淡い恋愛を描くラブコメディということですが、さすがにちょっと企画に無理があるのでは、という気もします。さんまが長澤の大ファンだから実現したという話ですが、さんまと長澤では親子にしか思えません。さんまが長澤を好きになるのはわかりますが、長澤がさんまを好きになるとはとても思えませんから。共演は塚本高史、森下愛子、小泉今日子、市村正親などさすがに豪華。むしろわがまま奔放な作家を演じる市村の方に期待できそうです。脚本も吉田紀子なので、中年男の妄想ドラマとして楽しめるものなら見てみたいと思います。

 キャスティングではフジ系月曜夜9時『ガリレオ』も期待です。東野圭吾の人気シリーズ「探偵ガリレオ」のドラマ化ですが、主演の天才物理学者に福山雅治、刑事役に柴咲コウ。4年半ぶりにドラマ出演という福山の演技が楽しみです。共演も北村一輝、渡辺いっけい、真矢みき、品川祐と癖のあるところが揃っているので面白くなりそうです。

 さらに組み合わせの妙で言えばTBS系木曜夜10時『ジョシデカ!−女子刑事ー』もなかなか強烈です。落ちこぼれ新人女刑事の仲間由紀恵と検挙率ナンバー1のベテラン女刑事の泉ピン子というコンビは意外性十分。共演はリュ・シウォン、益岡徹、大倉孝二、片平なぎさ、袴田吉彦ら。リュ・シウォンはもう少し早い時期だったら話題になったんですけどね。

 この男性版がフジ系土曜夜11時10分の『SP』。タイトル通りにSPのドラマですが、直木賞作家金城一紀が脚本を書き下ろしたのが話題です。しかも総監督に本広克行。主演は岡田准一と堤真一。この枠は『ライフ』で注目されたとは言え、はまだ定着したとは言いがたいので、豪華スタッフで注目率を上げようという作戦でしょう。

 ターゲットを絞ったドラマとしては、フジ系火曜夜9時『暴れん坊ママ』。幼稚園ママの世界ですから、20代後半〜30代のママたちには興味が沸くかも。脚本も女性の世界を描かせたら定評がある大石静ですし。ただ大泉洋と上戸彩という主演コンビでは視聴率は期待できないでしょうね。ともさかりえ、岡江久美子、東幹久、片瀬那奈、山口紗弥加という共演陣も含めて、なんだか昼ドラっぽいのは、やはりママ狙いだから?

 対して同世代のOL向けでは日本テレビ系水曜夜10時『働きマン』。吉田智子脚本で人気コミックのドラマ化です。ただ菅野美穂、速水もこみち、沢村一樹、伊武雅刀、平山あや、佐田真由美というキャストではあまり数字は取れそうもないですね。特に「視聴率クラッシャー」の異名を取るもこみちを擁してどうなることやら。

 サラリーマンものではフジ系火曜夜10時『スワンの馬鹿!こづかい3万円の恋』。月3万円の小遣いの40男のコメディです。主演に上川隆也、共演に田中美佐子、森口瑤子、成宮寛喜、劇団ひとり、梶原善ら。僕のようなサラリーマンがターゲットですが、ちょっと夢が無さ過ぎて身につまされるかも。

 続編モノではフジ系木曜夜10時『医龍 Team Medical Dragon2』があります。坂口憲二主演は変わらずに内田有紀ら新しいキャストも加えてパワーアップだそうです。他に小池徹平、佐々木蔵之介、北村一輝、阿部サダヲ、水川あさみ、夏木マリ、岸部一徳ら。このドラマは固定客がついていて鉄板という感じです。

 マンガ原作ドラマが減ったと思ったら舞台をドラマ化したのがTBS系金曜夜10時『歌姫』。昭和30年代の高知の田舎町を舞台にした人情コメディです。主演に長瀬智也、共演に相武紗季、佐藤隆太、大倉忠義、斉藤由貴、古谷一行、高田純次、風吹ジュンほか。これはかなり期待できると思います。

 最後に原作マンガファンを怒らせそうなドラマが日本テレビ系火曜夜10時『有閑倶楽部』。一条ゆかりの原作は四半世紀を超えて描かれ続けているもはや古典と言えそうなほどの人気作ですし、原作のキャラも強烈なだけに、これをドラマ化するとはかなりの勇気です。『花より男子』のヒットから二番煎じ狙いなのでしょう。主演は赤西仁しか発表されていませんが、彼が演じるのが松竹梅魅録。本来魅録は主役じゃないし、すでに赤西のキャラに合っていません。他のキャストもジャニーズ系が演じるのかどうか知りませんが、このマンガのポイントはやはり剣菱悠理ですから、彼女を誰が演じるかが見ものです。まああまり原作ファンは見ない方が良いかも。

 以上の注目作で僕がとりあえず第1回をチェックしようと思っているのは、『ハタチの恋人』、『ガリレオ』、『ジョシデカ!−女子刑事ー』、『歌姫』。後は悪口を言うために『有閑倶楽部』でしょうか。