幹事クリタのコーカイ日誌2007

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9月13日 ● 安倍晋三と阿久悠『時代おくれ』。

 いきなりの安倍首相の辞任には本当にビックリしました。誰もが思うことでしょうが、なぜ「今」なのか?辞めるなら参院選直後だろうと。国会で所信表明演説をした直後に辞めるなんてタイミングがおかしいのは誰でもわかることですし、本人だってわかっているでしょうに。いきなり政権を投げ出した今回の安倍首相の行動は細川首相の辞任を思い起こさせます。やっぱり「お坊ちゃん」はダメだなぁと思われても仕方ありません。

 で、昼間に安倍首相の辞任のドタバタ騒ぎがあって、夜にTBS系で『巨星・阿久悠の世界 永遠の歌をありがとう』を見ました。約5000曲の阿久作品のうちから56曲が紹介されたのですが、くりさんが書いているように、なぜ夏木マリが『絹の靴下』ではなく『お手やわらかに』が入っているのか、岩崎宏美も『思秋期』ではないのか、僕にも違和感がありました。

 亡くなった時に僕が挙げた「マイフェイバリットソング」は5曲全て紹介されたので良かったですが、伊藤咲子を入れるなら石野真子の曲こそと思うのですが、ひとつも取り上げられなかったのは残念でした。それにCharはやはり『気絶するほど悩ましい』でしょう。アニメソングで『デビルマン』もぜひ入れて欲しいと思いましたが、まあこうした個人的な思い入れを言い出せば切りがありません。

 ただ番組最後に「ひとの心を 見つめ続ける 時代おくれの 男になりたい」という『時代おくれ』の一節をもってきたのは正解だと思いました。番組を見ている40代以上の中年男には実にグッとくる歌詞です。言い換えれば勝ち組になれなかった中年の「負け犬の遠吠え」なんですけど、それをセンチメンタルにかつヒロイックに美化して表現してくれているだけに、この歌詞にウルウルしちゃうのです。

 そして辞任を発表した安倍首相にもこの『時代おくれ』の歌詞をおくりたいと思います。祖父のようになりたいと「時代おくれ」の夢を見た、そして時代の空気を読めずに負けてしまった安倍首相こそ、この歌を歌いながら退場していって欲しいものです。