幹事クリタのコーカイ日誌2007

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7月26日 ● 日本サッカーのバブル崩壊。

 3連覇を目指したアジア杯ですが、準決勝でサウジアラビアに2-3と競り負けてしまいました。この大会好調の高原も、オシムのサッカーと融和してきたという中村もいたというのに、結局アジアのサッカーに屈してしまいました。日韓W杯で16強という栄光から5年、今や日本サッカーは10年以上後退してしまった印象です。

 僕は日本が韓国に全然勝てなかった1980年代の日本代表を知っています。あの頃は同じフットボールでもラグビーの方がはるかに人気があり、サッカー日本リーグなんて誰も見ていないし、W杯だって一部のコアなサッカーファン以外は全く無関心の時代でした。アジアの強国を相手に何回戦っても跳ね返される日本を見ていると、日本人はサッカーに向いていないのだろうと思ったものです。

 それが1993年のJリーグ発足以降、驚くほど順調に強化が進み、アジアで勝つのは当たり前、W杯に出るのも当たり前、決勝トーナメント進出が最低目標というレベルに達した21世紀。「黄金世代」がピークを迎える2006年ドイツ大会ではどれほどのパフォーマンスを発揮するのかと夢が広がりました。そしてドイツW杯予選敗退。夢は潰えました。この瞬間、日本サッカーのバブルが弾けたのです。

 バブル崩壊後はじめてのアジア杯、正直優勝は厳しいだろうと思っていました。特にオーストラリアには勝てないのではないかと危惧していました。ところが準々決勝でオーストラリアにPK勝ち。ツキがまだあるのかと思っていたら、ツキだけで実力はなかったことが昨晩のサウジ戦で証明されてしまいました。今や日本は「アジアの王者」ではなく、昔ながらのアジアの強豪の一角に過ぎません。

 実力のダウンは成績に反映され、その成績に比例するように人気も下降しています。Jリーグは客が入らなくても代表の試合だけは満員だったのに、今や代表の試合すら興味をもたれなくなってきています。一気に盛り上がった人気は醒める時も早いものです。バブル後遺症をどこまで日本サッカーが引きずることになるのか、代表の成績が下向きのままでは、かなり長引きそうな予感がします。