幹事クリタのコーカイ日誌2007

[ 前日翌日最新今月 ]


 
7月23日 ● 「絞りこむ」ことの大切さ。

 自分の関心を絞り込んでシンプルに生きるのはきっと清々しいでしょうし、ストレスも少なそうな気がします。自分の関心がひとつに絞られているということは「オール・オア・ナッシング」になります。それがうまくいけば全てハッピー、逆にうまくいかなければアンハッピー。とてもわかりやすくてシンプル、そしてハイリスク・ハイリターンです。

 僕はそんな一点に全部賭ける、みたいな生き方は怖くてできません。どこかに保険をかけておいてリスクを分散し、ひとつうまくいかなくても他でカバーしてトータルで見れば「とんとん」かなぁ、みたいな生き方をしてきました。

 例えば僕の最大の趣味はテニスですが、テニスがもしできなくなったら楽しみがひとつもないという生き方はしたくなくて、20代の頃はあれやこれやと手を出してやってみました。仕事関係以外に友人がおらず定年になったら年賀状が激減、というのもイヤなので、仕事関係以外のところで人間関係を築くようにずっと努めてきました。その結果、あちらでもこちらでも幹事役を引き受けて、ますます人生を複雑化させてしまっているんですけど。

 ただこれも40代も半ばを過ぎて少しずつ変わってきています。あまり石橋を叩いてばかりでは楽しくないと思うようになったのです。安全確実なことばかりよりも、ある程度リスクをとっても大きくリターンを狙う方が楽しいこともあります。わかりやすいことで言えば、異性に振られるのが怖くて複数の異性とそこそこに浅く付き合うよりも、大好きな一人の異性にのめり込む方が絶対に人生は楽しいはずです。「傷つくのが怖い」とか言っている若者を見ていると「傷つかないような恋愛をして楽しいか!」と説教したくなります。ときめきも刺激もないような異性と保険のために付き合うなんて時間のムダです。

 趣味にしても、広く浅くやる趣味なんて、何にもなりません。ある程度のめり込んで、いろいろなものを犠牲にしてとことんやってこそ、趣味は趣味として人に言えるレベルになるのです。適当にちょこちょことやって、その趣味についてわかったようなことを言われたら、ずっとやっている人に笑われるか怒られます。

 まあ「これだ」と言えるようなものに絞り込むためには、ある程度いろいろと知らなければ判断できないということもありますから、異性も趣味も若いうちに数を経験しておくことは無駄ではないと思いますけどね。ただ、それが染み付いてしまって、いつまでたっても「広く浅く」では、何も経験していないのと同じ。「好きなもの」「いいもの」「自分に合うもの」を見つけたら、他を捨ててそこに絞り込んで深めていくことが大事だと思います。