幹事クリタのコーカイ日誌2007

[ 前日翌日最新今月 ]


 
7月19日 ● 昭和も遠くなりにけり。

 この頃、自分では常識だと思っていることが実はもう常識ではなくなっていたり、まだ最近のことだと考えていたら、すっかり昔の話になっていたりすることが多くて戸惑います。要は年を取ってきていて若者との知識ギャップが激しくなっているだけなんですけど。

 先日読んでいた本の中に「兼高かおる」の話が出てきましたが、年配の人しか知らないだろうと「こういう人です」と説明してありました。『兼高かおる世界の旅』は1990年まで放送していましたから、当時12才でも今は29才。つまりほぼ30代以上しか彼女のことを知らないということです。40代以上なら当たり前に知っている有名人も、あっと言う間に風化していくんですね。

 先週『恋のから騒ぎ』を見ていたら、出ている女の子たちの大半が「ひょうきん族」を知りませんでした。あれでは司会をしている明石家さんまもガックリです。きっと「男女7人〜」も知らないから、さんまの絶頂期もわからないままに彼女たちはさんまに対しているのでしょう。さんまもやりにくくなったな〜と感じているんじゃないでしょうか。

 夏の甲子園特集の雑誌を立ち読みしていたら、甲子園を沸かせた名選手という特集が、江川卓から始まっていてビックリ。そりゃあ僕だって江川よりは年下ですから、江川以前の選手はそれほどリアルタイムでは知りませんが、浪商・尾崎とか早実・王とか徳島商・坂東とか三沢・太田とか、いくらでも伝説の選手はいるでしょう。編集者が若いのかも知りませんが(なにせ江川の記録にも懐疑的な説明がついていました。江川の高校時代を知っていたら、その凄さに疑問を差し挟む余地がないことはわかるはずです)、この手の特集を喜ぶのは大抵オジサンですから、もう少し古いところから始めても良いんじゃないかと思いました。

 大相撲で今場所千代大海は大関在位51場所、貴ノ花の記録を抜いて歴代1位です。この大関貴ノ花は先代で、横綱貴乃花の父親ですが、それも若い世代には説明しないと勘違いされるみたいです。

 この貴ノ花、そして野球の長島茂雄、競馬のハイセイコーという昭和のヒーローたちの人気は、当時を知らない世代にはいくら説明してもわからないでしょうね。それぞれライバルであった北の湖(もしくは輪島)、王貞治、タケホープの方が記録面では優っているのですが、そんなことでは覆らないあの熱狂的な人気は伝えようがありません。彼らのカリスマ的魅力はどんな言葉でも記録でも決して伝えることはできないのです。

 もっとも、そうやって記憶が風化していくことで、新しい時代のヒーローが生まれていくのでしょうけどね。いつまでも古い連中にのさばられているのも息苦しいことですから。