幹事クリタのコーカイ日誌2007

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7月12日 ● どこまでもイチロー流で。

 メジャーリーグのオールスターゲームでイチローが史上初のランニングホームランを含む3打数3安打でMVPを獲得しました。またまた伝説をひとつ書き加えたわけで、もうイチローはどこまでいくのかと思ってしまいます。野茂がオールスターで開幕投手になった時も凄いと思いましたが、MVPとなるとまた特別です。イチローはすでに新人の年にシーズンのMVPも獲得していますから、これで残るはワールドシリーズのMVPということになるんでしょうか?

 これだけの成績を残せば、さしものイチローも上機嫌になるもので、インタビューでも極めて饒舌でした。不機嫌な時のイチローはマスコミに対してとても冷淡で、聞く方も腫れ物に触るような感じですが、昨日のイチローは冗談を交えつつペラペラとお喋りをしていました。

 ただ残念なことに、だからと言ってインタビューを受けている時のイチローを見ていて好感度が上がるわけではありません。よく喋ると言っても、きちんと丁寧に誠実に答えているというよりは、自分のことをどれだけわかっているのかと試すようなバカにした物言いは変わりませんし、自分がどれほど特別で凄い人間なのかをわからせてやろうという鼻につく態度も見え隠れします。

 かつてイチローがWBCの時に監督王貞治とじっくり話をして、一番自分との違いは「人間性」だと言ったことがあります。「なんだ、イチローもわかってるんじゃん」と思いましたし、WBC以降は確かにマスコミ相手にも喋るようにはなってきました。そういう意味では進歩しているのでしょうが、まだまだ「器の大きさ」とか「優しさ」「気配り」といった印象にはほど遠く、抜き身の刀のような危うさを未だにちらつかせています。

 難しいのは、ではイチローが松井秀喜のようにマスコミに対して常に気配りをしながら応対したらどうなるのか、ということです。松井のような大人な態度はきっとストレスが溜まります。松井はもともと温厚な人間だからできることであって、イチローがそこで無理して真似をしたらプレーにまで影響が出るかも知れません。我々が見たいのはスーパープレーヤーとしてのイチローであって、マスコミのインタビューをにこやかにそつなくこなすイチローではないのです。

 アスリートは内面がどんなひどい人間であっても、プレーで魅了してくれることこそが本質です。イチローはそのプレーだけで十分に魅力的です。かつての中田英寿も伊達公子もそうでしたが、とんがったキャラクターだからこそ、あんな背筋が寒くなるほどの感動的プレーができるのかも知れません。丸くなるのは引退してキャスターとか解説者になってからで十分なので、現役である間は「イヤな奴」でも「凄い奴」でいてくれれば良いと思います。


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