伊東美咲と深田恭子が主演する『山おんな壁おんな』。貧乳の伊東が「壁おんな」で、巨乳のフカキョンが「山おんな」なんですが、実写になるとあまりリアリティがありません。まあ「そういうことにしておこう」という雰囲気でした。

　ドラマはデパートのバッグ売場が舞台のコメディですが、とことんリアリティのない話で、これを真面目に観ると多分腹が立ってくると思います。俳優陣も大根揃いで学芸会レベルですし、セットも安っぽくて、全体にコントのような空気が漂っています。

　じゃあこのドラマの何を楽しみに見れば良いのかというと、そのコントっぽさを肴にしながら、「そんなわけないだろう」と突っ込みを入れまくるのが、恐らくこのドラマの正しい鑑賞法だと思います。フカキョンの巨乳が見えたからと言って「良いモノを見せてもらった」と言いながら高いバッグを買うオバサン（オジサンに非ず）はいないだろうし、やたらとデパート内をくまなく歩き回っている社長もいないし、お客様がいるのに、御曹司の専務に丁寧に頭を下げる店員もいないでしょう。

　いくら同じ包装の紙袋だからと言って、２つ並んでいるのに中身を確認もせずに取り違えて渡す店員もいないでしょうし、田舎から出てきただけの青年を不審人物としてみんなで取り囲むデパートもありません。ひとつひとつのエピソードが、我々素人から見ても「そんなことないだろう」というものですから、デパートに勤務している人が見たら、突っ込みを入れることすら疲れるような内容だと思います。

　先に書いたように、とにかく真面目に観たら馬鹿馬鹿しくて見ていられませんが、暇つぶしにアラレでも食べてマンガを読みながら横目で見る分には、なかなかノリが軽くてちょうど良い頃合いのドラマです。僕も来週以降、暇なら見ます。最終回まで見続ける自信はありませんが。