幹事クリタのコーカイ日誌2007

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6月23日 ● 桑田がイチローと対決。

 パイレーツの桑田がマリナーズのイチローを三振に取りました。書けばたったこれだけのことですが、ここに至るまでの桑田の努力を思うと、しみじみと感動的です。僕は基本的にスポーツの感動というのはプレーそのものによってあるべきものであって、過剰な思い入れによる人間ドラマは不必要だと考えています。しかし、今回の桑田の物語は、よくあるマスコミのゴテゴテしたデコレーション過多のドラマではない本当のドラマを感じます。

 昨年、桑田がメジャー挑戦と聞いて「ダメだろう」と思った人がほとんどだったと思います。現役バリバリのエース時代ならまだしも、巨人の2軍でくすぶっていてイースタンリーグですら打ち込まれるような40才目前のロートル投手が何をとち狂ったかと誰しも思ったはずです。

 同時期に西武のエースと阪神のエースがメジャーに渡りました。松坂はともかく井川ですら成功するかどうかは疑問だなと思っていたくらいですから、桑田は一種の「記念受験」だろうと冷めた目で見ていました。引退前にメジャーに挑戦することで話題になって箔を付けて日本に帰ってくるつもりだろうと。

 ところが桑田はマイナー契約でスタートし、マスコミ報道を見る限りは真剣にメジャーに上がろうと足掻いていました。あれほどの実績がある投手がアメリカで無名の選手達と一緒に這い上がろうと努力していたのです。すでにそれだけでも「よくやるな」と思うのに、桑田は着実にチカラを示して本当にメジャー切符を掴みかけました。

 「マジかよ」と思っていた矢先に、審判と激突して故障。結構ひどい怪我のようで、さすがに「これで終わりかな」と覚悟しました。ところが桑田はそこからまた甦ってきたのです。故障も癒えてついにはメジャー初登板を果たし、そして日本でも対戦したことがなかったメジャーきっての一流選手イチローと対戦、それを三振に切って取ったのです。

 この先、桑田がどれほどの実績をメジャーで残せるかはわかりません。まだ敗戦処理程度の使われ方に過ぎず、勝っている試合のセットアッパーにもなれません。先発に回ることはほとんど無理でしょう。メジャーで1勝をあげるには幸運も味方につけないといけません。しかし、それでも桑田の価値が損なわれることはないと思います。「オールドルーキー」という言葉がこれほど輝いてみえる選手はいま他にいません。「なにかを始めるのに遅すぎるということはない」という言葉を実際に証明してみせた桑田は、真にチャレンジャーです。


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