幹事クリタのコーカイ日誌2007

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6月8日 ● 参院選の争点は年金問題か?

 近づく参院選。争点は「憲法改正」か「格差解消」か、と自民党と民主党が言い争っていたはずなのに、民主党が「年金爆弾」を破裂させた途端に、一気に争点がずれてしまいました。

 確かに5000万件という年金記録が不明で宙に浮いているというのはインパクトのある数字でした。安倍内閣を揺さぶる戦術としては間違っていなかったと思いますし、内閣支持率もダウンしました。人は何だかんだ言ってもやはり「自分のお金」の話になると真剣さが格段に違います。自分の身にどう降りかかってくるかよくわからない憲法改正問題よりも切実でしょう。

 ただこの不明年金問題は、「さっさとやれ、社保庁」という以上の話はありません。技術論として、いつまでにどうやって不明分を照合させていくかという論議はあるにせよ、基本的には政府だって野党だって「ちゃんとやれよ」ということしか言っていないわけで、このことをいくら揉めても大した違いは出てこないはずです。

 参院選は国政選挙ですから、一番の争点は何と言っても「安倍内閣を支持するか」ということです。トップを直接選挙で選べない以上、国政選挙で意志表示をするしか選挙民には手がありません。不明年金問題は確かに安倍内閣を揺さぶりはしますが、安倍内閣がやった失策とは言い難いのですから、これを争点とするのは間違いです。

 安倍内閣の内政外交政策を吟味し、また彼が目指している「美しい国」やら「戦争ができる国」やらを支持するかどうか、そして安倍首相個人が本当に日本のリーダーとして相応しいか資質を持っているかどうかを考えて投票すべきなのです。

 今回の参院選で自民党が負ければ憲法改正への動きにブレーキがかかることでしょう。消費税増税も難しくなると思います。惨敗なら安倍内閣が倒れる可能性もあります。そうなるともろもろの改革は滞るでしょうし、自民党の政策推進力は間違いなく落ちます。「ポスト安倍」に向けての自民党の「祭り」が始まってしまいますから。

 行政の一時的停滞を招いても安倍内閣にノーを突きつけるかどうか、ということが参院選の眼目であり、それを忘れて年金で騒いでいるマスコミも「おバカ」です。自民党や民主党の一方的な主張に惑わされず、きちんと争点を明示して選挙民にわかりやすく見せるのがマスコミの役目。最近は尻馬に乗って騒ぐだけのマスコミが多すぎてイヤになります。


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