ＺＡＲＤのボーカル（と言うか、最終的にはグループではなくソロだったんですけど）の坂井泉水が病院で転落死というニュースにびっくりしていたら、「なんとか還元水」の松岡農水相が議員宿舎で首吊り自殺。本来なら全く関係のない２人ですが、同じ日に不審な死を遂げたということだけで、並べられてしまうのも、死んだ当人たちにとっては不本意なことでしょう。坂井泉水にしてみたら「あんな疑惑だらけの政治家と一緒にしないで」と思うことでしょうし、松岡農水相にしたら「芸能人なんかと同列に扱うな」と憤るかも。

　とは言え、こういう偶然の一致というのは時として起こるもので、かつて落語家三遊亭円生が上野動物園のパンダのランランと同日に亡くなったため、一面トップをパンダに取られたという有名なエピソードがあるように、誰と同時に死ぬかを人は選べません。昨日亡くなった２人にはお気の毒ですが、今回は組み合わせが悪かったと思います。

　真面目な話をすれば、坂井泉水は本当に事故死なのか、癌のため生きる気力を失っての自殺なのか、そこは本当はハッキリさせるべきでしょう。事故死ならば慶応病院の管理責任が問われるところだからです。癌患者のケアというのは簡単なものではないでしょうが、特にまだ若い患者の場合は自暴自棄になる可能性も高いのではないかと思います。

　松岡農水相の場合は、もっと不審な感じがします。そもそもが本当に自殺なのかどうかすらわかりません。今後の政局に対する影響も不透明ですが、自民党や安倍内閣にとってダメージであることは間違いありません。いろいろと問題が多かった政治家だけに、それをポストにつけたことも、問題を起こした後にすぐに更迭しなかったことも、安倍首相の失策でしょう。

　参院選まで日がなくなってきているこの時期に、こういうカタチでの自殺が選挙に影響しないわけがありません。安倍首相は舌打ちしていると思うのですが、それがわかっていて自殺する松岡農水相の気持ちがわかりません。やっぱり何か裏があるのかと勘ぐってしまいます。まだまだ政治や金をめぐる闇は深いということでしょう。