幹事クリタのコーカイ日誌2007

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5月19日 ● 警官の命よりも犯人の命。

 愛知県長久手町の立て籠もり犯は事件発生から29時間後、ようやく犯人の身柄を拘束することができました。比較的ご近所での大事件ゆえに、いつもよりは注目して見ていたのですが、警察の対応にあまりにも疑問点が多く不思議な感じがしました。

 映画やドラマと現実の事件は違う、というのはわかります。ただ、それにしても違い過ぎます。まず事件発生直後に撃たれた警官が数時間も玄関脇に倒れたまま放置されていたこと。あれは一体どういう処置だったのかがわかりません。警官は首を撃たれたということですから、放置しておけば死んでしまうのではないかとまず心配になります。すぐに助けに行くべきでしょうに、なぜそのまま放置なのか?またもし撃たれた警官の命に別条はないとしても、あの位置ではいつまた犯人に狙撃されるかわかりません。いずれにしても警官の家族にしてみれば「早く助けに行って!」と叫ばずにはいられないような状況でした。

 次にその警官をようやく救出に行った時に、犯人にSATの隊員が撃たれて死亡。この時、なぜSATは犯人を撃たなかったのでしょう?いくらでもチャンスはあったはずなのに、むざむざ撃たれて死んでしまうなんて、SATの隊員は無駄死にです。まだ小さな赤ちゃんがいるというこの若い隊員の奥さんにしてみれば、犯人だけではなくSATに狙撃命令を出さなかった県警幹部も恨みたくなることでしょう。

 ついでに言えば、防弾チョッキを着ていても左胸を撃たれて死亡するというのでは、防弾チョッキの意味がありません。だったら西部劇のように胸に聖書が銀貨でも入れておいた方がマシでしょう。防弾チョッキメーカーの責任を問いたくなります。

 さて、犯人の元妻が自力で脱出後、これで一気に突入して解決かと思われたのに、相変わらずじっと取り囲むだけで動きのない警察の指揮にまた不思議な気持ちになります。人質がいてもいなくても一緒では、命がけで脱出してきた元妻の立場がありません。最後は犯人がのこのこ外に出てきて「被疑者確保」って、結局警察は何をしたのかさっぱりわかりません。あれだけの被害を出した凶悪犯の捕り物なんですから、もう少し「悪い奴はこうやって捕まるんだ」って感じで派手にやってくれないと、教育的効果も薄れてしまいます。

 つまるところ、愛知県警の本部長の方針は「生け捕り」こそが最優先だったのでしょう。だから目の前で拳銃を発砲されても反撃することもしないし、人質がいなくても突入しない。犯人が諦めて出てくるのをひたすら待ち続けるという「忍」の一文字の捕り物劇。血気盛んなアメリカや、犯人どころか一般人の人権すら無視する中国なら、とっくにスピード解決していただろうと思われます。

 それにしても警官が死んでもいいから犯人は殺すな、という方針の警察に勤務したいでしょうか?大した武器も持たされずにイラクの戦場に送り込まれる自衛官と同じで、公務員とは言え、それはあまりにも過酷な仕事です。


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