幹事クリタのコーカイ日誌2007

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4月7日 ● 歌手泣かせの『ミュージックステーション』。

 『ミュージックステーション』のスペシャルを見ていたら、出てくる歌手たちがちょくちょく音を外すのを聴いて、「そっか、これナマだもんな」と思いました。最近の音楽番組はほとんどがスタジオ収録で、生放送でしかも客を入れて毎週オンエアしているなんていうのは『ミュージックステーション』くらいでしょう。

 真偽のほどはわかりませんが、一説にはMCのタモリがナマにこだわったので、ずっと生放送を続けていると聞いたことがあるこの番組ですが、今どきの歌手たちにとってはかなり緊張することでしょう。なにせ昔のように「歌が下手でも可愛ければ許す」というようなアイドル歌手は絶滅し、今は一応「アーティスト」と名乗っている歌手がほとんどですから「下手でも許す」というわけにはいきません。

 と言っても、実際に生放送で歌わせてみればその実力差は歴然。CDとは全く違うアレンジ(?)と思ってしまうほどに音程もリズムも外している大塚愛とか聴くと、やはり彼女たちは「アーティストの皮を被ったアイドル」なんだなぁと思ってしまいます。元々アイドルのジャニーズ系はもちろん言わぬが花のレベルですし、他にも危ない歌手がごろごろしています。

 ところが昨晩はここに一人だけ異色の歌手がいまいた。「千の風になって」を歌うご存知テノール歌手の秋川雅史。昨年の紅白でこの歌を歌ったことで一躍注目を集め、クラシックとしては初のオリコンチャート1位を記録した「テノールの貴公子」です。

 テノール歌手だけに当然のことながら生放送で1曲歌うくらいではビクともしません。堂々と「千の風になって」を歌い上げました。それまで聴いていた歌手たちの不安定さと比べるのもおかしいかも知れませんが、その安定感は本当に聴く者の安心感につながります。

 反面、秋川以外の歌手は余計にその不安定さが目立つ結果になってしまいました。彼が出ていない時の『ミュージックステーション』では、大抵SMAPの特に中居くんの音痴ぶりを楽しめば良かったのですが、秋川のせいで急に聴く方のハードルが高くなってしまったのです。

 もちろん歌謡曲・流行歌における歌の巧拙というのは、単に音程がしっかりしていて楽譜通りに正確に歌えるということとは少し違います。美空ひばりは抜群に歌が上手い歌手でしたが、それは声楽家の上手さとは別の次元の問題でした。ただ基本的な歌手としての能力が如実に出てしまうという意味では、生放送の音楽番組は歌う側には酷ですが、聴く側にはそれはそれで面白いと感じたことも事実です。


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