大相撲春場所は折角朝青龍と白鵬の優勝決定戦という最後まで盛り上がることができる最高のカタチになったのに、その２人の相撲内容が最低で後味の悪い結果となりました。

　まずまずかったのは朝青龍と千代大海の一番。場所を締めくくる千秋楽結びの一番、それも優勝決定戦に進出できるかどうかをかける横綱と大関の取組なのに、なんと朝青龍は最初から決めていたかのような注文相撲であっさり勝ってしまったのです。「どうだ」と顔をしている朝青龍は最低です。あんな相撲で威張っているような横綱は横綱ではありません。横綱はただ勝てば良いってもんではないのですから。

　そして優勝決定戦。今度は突っ込んでくる朝青龍を見て白鵬がはたいてしまいました。これにまんまとかかって朝青龍は思わず左手を土俵に突いてしまい呆然、そして小さくガッツポーズをする白鵬を見て苦笑い。自分がやった注文相撲をお返しされたのですから文句も言えません。ただこれから横綱を目指す白鵬が注文相撲で朝青龍に勝っても評価はされないことでしょう。あんな相撲でガッツポーズをするようでは、白鵬は来場所優勝しても横綱に推挙するべきではないと思います。

　もちろん朝青龍の注文相撲と白鵬のそれとでは若干内容に違いはあります。白鵬は朝青龍が低く突っ込んできたので思わずはたいてしまったのだと思いますが、朝青龍の千代大海に対するそれは「狙っていた」感ありありです。これはいけません。横綱たるもの、きっちりと胸を出して受けてから相手を料理すべきです。 「いい加減目覚めなさい」と朝青龍を誰か厳しく叱って欲しいものです。というか、モンゴル力士には相撲の基本からもう一度教え直すべきかも知れません。