幹事クリタのコーカイ日誌2007

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3月22日 ● 鴨志田穣逝く。

 カメラマンであり文筆家でもある鴨志田穣が腎臓ガンで亡くなりました。まだ42才。若いです。我々マンガ好きの間では西原理恵子の「元夫」として知られているカモちゃん。彼女との共著も多く、昔からのサイバラファンは、カモちゃん登場の頃から結婚、離婚に至るまでを自分のことのように知っています。もちろん、知っていると言っても、それは2人の著書を通じてであり、描かれているカモちゃんのキャラクターが本当の姿かどうかまではわかりませんが。

 カモちゃんはカメラマンと言っても、アイドルを撮ったりするようなナンパ系(?)ではなく、戦場カメラマンです。命をかけてぎりぎりのところで仕事をしている人間だけに、生ぬるい日本の生活には馴染めないのか、心は常に東南アジアにあり、日本にいると酒に溺れてしまう破滅的な生き方をしていました。

 それがひどくなってアルコール依存症となり、サイバラとも離婚、治療のために入院もしていました。しかし今年になって腎臓ガンのために転院、その経緯は彼の「カモのがんばらないぞ」というブログにも書かれています。

 別れたとは言えサイバラもカモちゃんをずっと支え続けていて、この2人の愛情の深さ、そしてそれでも離婚せざるを得なかった結婚生活の難しさを見る思いがしますし、結婚という「制度」と、男女の「愛情」というのは全く関係がないこともわかります。結婚しているから愛情が深まるわけでもないし、制度上は夫婦ではなくても分かち難く結びつくことはできるのです。

 壮絶な人生を歩んだカモちゃんの葬儀の喪主はサイバラだそうです。ペーパーの上ではもはや他人のサイバラが喪主をする、それが何より2人の関係を雄弁に物語っています。そして天才サイバラは、生き急いだようなカモちゃんの死をどう表現するのでしょうか。謹んでご冥福をお祈りします。


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