幹事クリタのコーカイ日誌2007

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3月19日 ● 『華麗なる一族』最終回。

 なんだかんだ言っても、やはり今クール最大の注目作にして、いろいろな意味で面白かったのは『華麗なる一族』でした。原作の力によるところも大きいのですが、ストーリーの卓越していること、最後の最後まで気を抜けない展開、まさに山崎豊子ドラマの真骨頂。批判は様々にあるにせよ、楽しませてくれたということだけでも賛辞に値すると思います。

 とは言え、やはりいろいろ文句をつけたくなるような作品であることもまた確か。今回のテレビドラマオリジナルとして裁判シーンがありますが、あんな終わらせ方をするのはちょっと納得がいきません。せっかく裁判をするのなら、ちゃんと法廷での決着をつけて欲しかったのに、肩すかしもいいところです。

 津川雅彦演じる永田大蔵大臣の田中角栄「プチモノマネ」芝居もちょっと鼻についたし、萩原聖人の下ぶくれ顔には「昔を取り戻せ、ハギー!」と突っ込みを入れたくなりました。かつて『若者のすべて』ではキムタクを従えてトップを張っていたのに、なんだこの体たらくは。あのドラマではキムタク以外にも、深津絵里、大沢たかお、篠原涼子ら、今なら主役級の連中を従えていたのに。まるであの頃CMでヒデを従えてブイブイ言わせていたゾノを見るような気分でした。

 まあそれは良いとして、真面目な話、ちょっと不満だったのはあまりにもキムタク主演にドラマをしつらえ過ぎたせいか、父大介の行動が全て「私怨」によるもののように描かれてしまったのが残念でした。ヨコ糸として大介と鉄平の軋轢や葛藤というのがあるのですが、タテ糸としてはやはり金融再編成という社会的な流れの中で、経営者としての大介の苦闘をもっときちんと描いて欲しかったですね。鉄平=キムタクを完全無欠の良い人として描こうとする余りに、大介がダメな人になり過ぎてしまったと思います。

 そういう意味では鉄平と大介は対等な主役としての扱いができるキャスティングが必要だったのではないかと思います。キムタクの、キムタクによる、キムタクのためのドラマにしてしまったことが今回の『華麗なる一族』最大の欠点でしょう。


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