幹事クリタのコーカイ日誌2007

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3月10日 ● 石原慎太郎包囲網?でも穴だらけ。

 東京都知事選にテレビで人気の丸山和也弁護士が出馬しそうです。まだはっきりと言明はしていませんが、恐らく今は観測気球を打ち上げて世論の風向きをみてから、正式に出馬表明をするつもりでしょう。もちろん本人は出る気満々だと思います。

 これで主な都知事選の立候補予定者は現職の石原慎太郎都知事に前宮城県知事の浅野史郎、共産党の吉田万三、建築家の黒川紀章、そして丸山和也弁護士となりました。ちょっと前までは石原都知事に対して共産党しか対立候補がいなかったことを考えれば、これでようやく都民にもいくつかの選択肢が出揃ったと言うことはできると思います。

 様々な点から問題ありと思われる石原都知事を浅野、吉田、黒川、丸山で包囲した選挙戦となるわけですが、実際には残念ながら包囲網の網の目が粗すぎるというか、網が穴だらけという印象であることは否めません。共産党の吉田は最初から論外、また石原の親友であるがゆえに「反石原」だけが立候補理由の黒川も、今のままでは都政をどうしたいのかが見えてこないので、とても石原に対抗できるとは思えません。

 知事としての実績もあり、民主党・社民党が推す浅野が一番石原の対抗馬になり得るわけですが、今のままでは石原の批判票の受け皿となって善戦はできても勝てるとは思えません。なぜ宮城県知事が東京都知事に立候補するのかという理由付けが希薄ですし、宮城県知事時代の実績や言動もマスコミから続々と伝えられていますが、決して好意的なものばかりではありません。と言うか、むしろ「ダメ出し」の方が多いようです。

 権威主義的・独善的な石原に対抗するには、もっとリベラルで親しみやすいキャラクターの方が対照的で良いと思うのですが、浅野は政治的立場こそリベラルぶってはいますが、出身が官僚であり、政治手法も独善的でむしろ石原と似たものを感じさせます。「どっちも偉そう」ということなら、より偉そうな石原の勝ちですし、知名度からも言っても月とスッポンです。

 僕は浅野よりもむしろ丸山の方が、これからの戦略次第では面白い存在になるのではないかと思っています。丸山はもちろんテレビ出演によって人気も知名度もありますし、特に日本テレビと「行列のできる法律相談所」司会の島田紳助が全面的にバックアップしてくれるのなら、確実に好感度はさらにアップします。なによりキャラクターが庶民的で、政党のしがらみもなく新鮮であるところが都民に受けが良いことでしょう。売り出し方さえ間違えなければ、宮崎県における「そのまんま東」効果が、東京でも起きる可能性は十分にあります。

 もっとも仮にブームが生まれて丸山が当選したとしても、果たしてそれが東京都民にとって本当に正しい選択かどうかは怪しいものです。行政家としての実績がまるでない素人同然の都知事に何ができるのか?国会議員経験のある青島幸男ですら都市博を中止した以外に何もできなかったのですから、丸山に期待することなど何もありません。ただ単に「石原降ろし」をしただけという結果になりそうな気がします。

 「反石原」では共通しているものの、包囲しているそれぞれが穴だらけの網を構えているわけですから、石原にとっては楽です。現職知事である石原が一番怖れていたのは超有名人、たとえばビートたけしとか久米宏、田中康夫などが出ることと、菅直人が出馬してくることでした。菅が総理をまだ狙っているお陰で、石原は命拾いしたと思います。


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