「元光ＧＥＮＪＩ諸星が20年ぶり主演ドラマ」というヘッドラインに驚いてみたら、なんとBS-i。しかも土曜夜11時半って、地上波でもそれほど視聴率取れない時間帯なのに、誰が見てるんだ？という枠ですか。この『うさぎがもちつき』というドラマを実際に見る人は日本でどれくらいいるんでしょう？見たくても見られない人もたくさんいそうです。

　それでもニュースになるということは、それだけ諸星和己がビッグスターだったという証拠ですが、もちろん単純に「昔のトップアイドルが復活」というだけのニュースではありません。どこにもはっきりとは書かれてはいませんが、諸星のコメントにある「主演に起用してくれた監督の勇気」こそがニュースなのです。トシちゃんとかーくんは未だにアンタッチャブル、火中の栗だと思われているのに、そこに敢えて手を突っ込むのか、ということこそ、このニュースの肝です。

　あのジャニーズ事務所を敵に回すかも知れないキャスティング。BS-iはＴＢＳ系列ですから、現在『華麗なる一族』でキムタク主演中なのに、なにもわざわざ事を荒立てなくてもと普通は思います。諸星でなくてもいくらでも世の中に男性タレントはいることでしょうに。それでも敢えて諸星という「勇気」をふるったＴＢＳ側の決断の裏が知りたいと思います。

　なかなか世の中に浸透していかない民放のBS放送をポピュラーにするためには、名の通ったタレントを起用したい、でも、有名どころはBSではなく地上波じゃないと出てくれない、そこで名前は知られているけど不遇をかこっているタレント、すなわちスキャンダルを起こしたか、事務所に干されているか。で、諸星がいるじゃないか、ということになったのかも知れません。

　問題はジャニーズ事務所と生じるであろう軋轢ですが、さすがにこの部分はダーク過ぎてどういうやり取りがＴＢＳとの間で行われたのかは外部からは見通せません。ジャニーズタレントの主演ドラマを来期に約束するようなバーターが行われたのか、ジャニーズタレントの不祥事をＴＢＳが握りつぶしたのか、それともジャニーズ事務所内で何かが起こって、諸星主演がＯＫになったのか。

　今後諸星や田原俊彦が地上波ドラマに出演することがあるのか、また森且行のテレビ復帰があり得るのか、この「勇気」からジャニーズ帝国の支配体制に何らかの変化が起こるのかを注目したいと思います。