４６回目の誕生日を迎えてしまいました。と言っても特に変わったことがあるわけでもなく、家で少しご馳走が出るくらいなものです。まあ盛大なパーティを開いてもらっても照れ臭いだけですし、祝ってくれる人が誰もいないよりは、家族やごく親しい人が一言「おめでとう」と言ってくれればそれで良いかなとは思っています。

　それにしても４６才というのは何ともつかみ所がない中途半端な年齢です。４０才とか５０才のように区切りがいいわけでもないし、４２才で厄年とか、４８才で年男とかでもない。もちろん青年ではなく、かと言って老年でもない、まさに中年ど真ん中です。どこを押しても堂々たる中年。もっとも気がつけば中年になっていただけで、自分の中ではずっと若い頃のままだったんですけどね。

　ただそうは言っても、体力的には若い頃のような無理が効かないことは明らかになってきているし、目はかすみ白髪は目立つようになり、同年代が集まれば健康の話題が多くなったことに気づきます。新しい友人は増えず、古い友人は少しずつ減っていきます。同窓会をする機会も増えましたから周りにいるのはオジサンオバサンばかり。逆に若い女性に囲まれることはとんとなくなりましたし、そもそもキャピキャピした若い女の子よりも落ち着いた大人の女性といる方が気分的にずっと楽に感じます。

　気がつけば歴史好きになり、恋愛小説よりも歴史小説を好んで読んでいます。テレビも歴史ドキュメンタリーとか大河ドラマのような歴史ドラマを熱心に見ている反面、恋愛ドラマには「けっ」という感じ。世界遺産とかを取り上げた紀行番組も好きですし、自然の美しい風景や野生動物が出てくるような番組も嫌いじゃありません。

　政治や経済のニュースにいつの間にか敏感になっていて、逆に芸能ニュースに対する反応が鈍くなってきました。さすがに演歌を聴くわけではありませんが、１０代の頃によく聴いた古いフォークソングやロックを聴くとカラダが思わず反応しています。仕事柄、同世代よりは若者ターゲットの芸能人のことはわかりますが、それでもモーニング娘。は６期メンバーから覚えられなくなりましたし、ジャニーズはＶ６、嵐までは辛うじて全員の顔と名前が一致しますが、ＮＥＷＳや関ジャニは管轄外です。

　相変わらずハンバーグやカレーや唐揚げも好きですが、和食の美味しさも十分にわかるようになりました。日本旅館に泊まると、昔は出てくる夕食で好きなものは天ぷらと刺身くらいしかなかったのに、今はほとんどの料理を味わいながら食べられます。偏食はかなり克服した代わりに、舌が肥えてしまったので、まずいものを食べるのは我慢なりません。ラーメンは若い頃はとんこつ味が好きだったのに、今は塩ラーメンが好きになってきました。

　昔はジャスコで買った9800円のジャケットに2900円のシャツを着て平気でしたが、最近はギャルソンのジャケットやバーバリーのシャツなんか偉そうに着ていることもあります。でも、高価なブランドの服を着て、高価で美味しいレストランに行けるようになったと言っても、中身は貧乏育ちなので真の贅沢にはストッパーがかかってしまいコストパフォーマンスを意識して「そこそこ」で手を打つセコイところは変わっていません。

　まあそんな中年の王道をまっすぐ一直線に歩んでいるのですが、これがいつ老年に変わるのかは自分でも予想がつきません。若い頃は自分が中年になっている姿がなかなか想像できなかったのと同じで、自分がどんな「おじいちゃん」になるのかイメージできないのです。２０年後の誕生日、３０年後の誕生日に「気がつけば老人になっていた」と思うんでしょうか。気分はまだ４０代なのに、とか言いながら。個人的なポイントは７０代になってもテニスできる体力があるかどうかです。テニスに関しては「生涯現役」を貫きたいんで。