幹事クリタのコーカイ日誌2007

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2月2日 ● 国会をサボる「戦術」。

 柳沢厚生労働相の「産む機械」発言が、政界を「炎上」させています。国会は予算審議なのに野党が欠席。辞任要求が通るまでボイコットを続けるという作戦です。致し方なく与党は野党抜きでの予算審議を開会しました。このまま与党は野党側が出席しなくても単独で審議を進め、補正予算案採決をして衆院通過を目指すようです。

 政界では大臣の失言問題に対してこういう与野党の攻防になるのは至極当たり前の流れなんでしょうが、一歩永田町の外側から眺めると、これは随分と奇異に映ります。「失言」に対して野党が辞任を要求するのはわかります。それは単に口が滑って失言したからではなく、その発言内容から推し量って大臣として、特に少子化対策を担当する厚生労働相として適任ではないと思われるからです。

 しかし、そのために最も大事な予算審議をボイコットして国会をいたずらに空転させることは筋が違います。もし予算が通らなければ確かに政府与党は困ります。しかし、予算が通らなくて最も困るのは主権者たる国民です。国会を欠席する野党は、国民に対する職務放棄にあたります。

 これが一般社会での論理だと思うのですが、永田町では安倍内閣を揺さぶるため、参院選で有利に選挙戦を運ぶためには、国会での予算審議も駆け引きの材料でしかありません。しかし、これでは国会議員として為すべきことの「主従」が逆転しています。

 もちろん、現実には与党が圧倒的多数を占めているのですから、野党が国会に出席しようがしまいが予算案は通ることでしょう。だったらいっそ国会を欠席しても、この問題を騒いで大きくして世論を喚起し、参院選での勝利を目指した方が良いという「戦術」もわからないではありません。

 しかし、それはあくまでも「裏技」であって、それを表芸だと勘違いして当然のように予算審議をボイコットするのはおかしいでしょう。少なくとも自分を選んでくれた選挙民に対して「せっかく選んでいただきながら国会を欠席して申し訳ない」という姿勢は示すべきです。威張ってサボってんじゃないよ、と思います。

 いつまでも古臭い国会対策芸で与野党攻防をしていると、ますます国民は政治に白けていくことでしょう。安倍政権を支えてきた女性層を敵に回した「産む機械」失言で、野党はここぞとばかりに勢いづいているようですが、彼らがこの国会ボイコット作戦で本当に国民の気持ちを掴んでいるかどうかは僕には疑問です。少なくとも「野党、よくやった!」という声は聞こえてきていませんけど。

 

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