Windows Vista発売されました。かつてのトヨタ車に「カムリ」の兄弟車で「ビスタ」というのがありましたが、それとこれとは関係ないと。ビスタは国内専用車種だっただけに、マイクロソフトは知らないということでしょう。

　とにかく鳴り物入りで発売された新ＯＳの割には、世間はかなり冷ややかな反応のようで、名古屋のビックカメラでは６人しか行列していなかったと報道されていました。そんなもんでしょうね。並んだ人がいただけビックリです。まさかサクラじゃないでしょう。

　かつて新しいＯＳが発売されると繰り返し大騒ぎになったことを思うと、この低調さは隔世の感がありますが、かと言ってこの事態が予想できなかったわけでもありません。だって世の中の人にとって、今さら新しいＯＳなんて特に必要ないですからね。Windows XPでな〜んにも、困っていません。それに比べて、Vistaを導入した当初はいろいろ困ってしまうことが予想できますから、そりゃよっぽど新しいモノ好きな人間以外は様子見することでしょう。それが賢い判断というものです。

　僕のパソコンは何回も書いているようにもう６年も使っていて、完全に買い替え時なんですけど、いまは全くお金がないので買い替えたくても無理です。そして仮にもし無理して買うならVista搭載モデルよりも、在庫限りのXP搭載モデルにすると思います。安い上に動作も安定していて、さらに今使っているソフトも使えるのですからね。

　しかもXPのサポートも５年間延長するそうですし、５年経てばまた新しいパソコンを買う時期ですから、その時にでもVista最終モデル（まだあるか？）あたりを狙えばよいかと思っています。思っていますが、先立つものがないので、とりあえず今は思っているだけですけど。

　僕のような「新しいＯＳは信用ならん」という買い控え組がたくさんいると思うのに、マイクロソフトの社長は「XPの倍、95の５倍売れる」と豪語しているそうです。どこから来るのか、その自信？そりゃあ95の時代に比べればパソコンの普及率自体が全然違いますから５倍くらい売れるかも知れませんが、あの時の熱気からは今回はほど遠いですし、XPの倍というのもどうなんでしょう？法人が簡単にはVistaには動かないでしょうから普及は難しいと思いますけどね。

　僕がパソコンを初めて買った時はまだMS-DOSの時代でした。本当に不便で気難しい機械でしたが、その代わり日進月歩で進化を遂げていて、どんどんパソコンを使ってできることが広がっていく時代でもありました。特にパソコン通信に出会った時の衝撃は忘れられません。あの頃は本当に楽しかったし、幸せな経験だったと思いますが、今のパソコンには当時のわくわくするような冒険気分はもう欠片もありません。新しいＯＳが出れば、どんなトラブルが待っていようと、いやむしろトラブルを楽しむために飛びついたのが昔のパソコンファンでしたが、今では冷静そのものです。

　ラーメンズのマックのＣＭを見ていると「これって１０年前の話だよなぁ」と思ってしまいます。マックだって昔の圧倒的な楽しさは失われてしまっていますから。つくづく、もうパソコンはオモチャではなくなったんだなと感じたVistaの発売でした。