幹事クリタのコーカイ日誌2007

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1月25日 ● シャラポワの強さ。

 全豪オープンテニスもいよいよ大詰め。男女ともにベスト4が出揃いました。男子シングルスは予想通りにフェデラーが勝ち上がり、準決勝の相手も予想通りロディック。もう一方の山からはちょっと意外なことにハースとゴンザレスがあがってきました。大会前から好調が伝えられていた2人でしたが、まさかダビデンコとナダルを打ち破ってくるとは。特にゴンザレスはナダル以上のクレーコーターですが、ハードコートでもここまで勝ち上がれるとはかなり好調なのでしょう。

 とは言え、王者フェデラーにとっては、一番の壁はやはりロディック。昨年コナーズをコーチにしてからのロディックの進化は目を見張るものがあり、年末の上海でもフェデラーに対してあわやという場面もありました。フェデラーの壁は高く厳しいとは思いますが、下克上の可能性は感じます。

 さて、混戦の女子はシードダウンが相次ぎましたが、準決勝の組み合わせはシャラポワvsクライシュテルス、セレナ・ウィリアムズvsバイディソバと楽しみなメンバーが勝ち残りました。ヒンギスとの激しい準々決勝を勝ち上がってきたクライシュテルスは今年限りの引退を公言しています。力が衰えたからではなく、カラダをボロボロにするまでテニスをやりたくないからだそうですが、それだけにラストイヤーは意気込みも違うことでしょう。実力的にも五分だと思いますし、シャラポワにとっては厳しい相手です。

 そして、ここを勝ち上がっても決勝は旧女王のセレナと、ポスト・シャラポワと呼ばれる若手のバイディソバの勝者ですから、全く楽観できません。セレナ・ウィリアムズの復活はテニスファンにとって喜ばしい限りです。潜在的な実力では今でもナンバー1ではないかと言われるセレナですが、ここのところのモチベーション低下はひどいものでした。それがまた今年からやる気になったのか、上位シード選手を次々と撃破。シャラポワと決勝で対決となると注目度がグーンと高くなります。

 バイディソバはまだ17才。シャラポワ2世と言われたくらいスタイルも雰囲気も似ていますが、本人はもちろんシャラポワと似ているなどと言われて喜んでいるわけはありません。本家を食って、一気に主役に躍り出たいと思っていることでしょう。4人の中で最も若いゆえに勢いが一番感じられます。

 どちらが決勝に出てきてもシャラポワにとっては難敵であることは間違いありません。しかし、それでもシャラポワは強いと思います。とにかく昨年後半からのシャラポワは、また一皮むけたような感じがします。以前から彼女の強さの源はその精神力にありました。負けん気の強さは女子ツアーではエナンと並んで双璧。無謀さではエナン以上でしょう。それが時として脆さにつながって、なかなか勝ちきれなかったところがありましたが、昨年後半からシャラポワはその気の強さに加えて崩れない安定感が出てきました。どこまで彼女は精神的に強靱になっていくのかと思います。

 今やあらゆるスポーツを通じて世界中の女性アスリートの中でダントツの知名度と人気と収入を誇るシャラポワ。普通なら華やかなショービジネスの世界で楽して儲かる道へ進みそうなものなのに、相変わらず泥臭くひたむきにコートでの勝利を追い求める姿は驚嘆すべきものがあります。クライシュテルスのようにカラダを壊したくないと思わないのでしょうか?ウィリアムズ姉妹のようにテニスだけじゃ物足りないと考えないのでしょうか?

 別の楽な道が目の前に開けているのに、敢えて困難な道を突き進むシャラポワだからこそ、一番可能性を感じます。全豪終了後、ヒンギスとともにシャラポワはまた日本にやってきます。今から楽しみです。


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