幹事クリタのコーカイ日誌2007

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1月23日 ● そのまんま東当選の影響。

 宮崎県知事選でそのまんま東が当選しました。政界では驚き、世間では微妙な笑いというところでしょうか。世間の笑いは二面があります。お笑いタレントが既成政党の候補者に勝ったことに対して反体制的「ざまあみろ」気分の痛快な笑いもあるでしょうし、逆にお笑いタレント(しかも過去に不祥事付き)を選んでしまった宮崎県民に対するシニカルな嘲笑もあるでしょう。

 そのまんま東がオール野党の県議会の中で何ができるのかというと、これは実に厳しいものがあると容易に予想できます。長野の田中康夫でも散々苦労して議会や県庁と戦って、それでも最後は県民からノーを突きつけられてしまいました。そのまんま東の選挙戦略だった「ひたむき」「真面目」なだけでは議会との対決は乗り切れないと思います。これから4年間の宮崎県政が滞ることは十分あり得ますし、そのツケを払うことになるのも宮崎県民です。

 ただそれだけのリスクがあることを承知の上で、それでも宮崎県民が既成政党を拒絶しタレント知事を選んだのだとしたら、自民党はよくよく考えた方が良いでしょう。今回の結果を「保守分裂」のせいで特殊ケースだと中川幹事長は言っているようですが、それは安易で希望的な観測に過ぎないと思います。

 小泉以前は、既成政党に嫌気がさしてタレント候補を当選させていた、いわゆる「浮動層」をいかに取り込むかが選挙のポイントでした。しかし、小泉という特異なキャラクターの登場で自民党は彼らをひきつけることができ、大勝を果たしました。それが今、小泉が去るとともに、浮動層もまた自民党から去ろうとしています。安倍は人気がある看板役者だと思われて自民党総裁になりましたが、実際には小泉劇場の観客をとどめておくことができなかった大根役者でした。

 宮崎の結果からわかるように、浮動層の受け皿さえ用意することができれば、たとえ過去にピンクスキャンダルがあろうとも有権者は投票するのです。政党への信頼が回復したわけではなかったということです。この結果を受けて、これから夏の参院選に向けて、自民党と民主党で知名度のある浮動層狙いの候補者争奪がさらに激化しそうです。宮崎の異変が日本全国に広がっていきそうな予感がします。それが良いことなのか悪いことなのかと言われれば、恐らくは悪いことなんでしょうね。知名度だけの候補者が乱立する選挙なんて。

 

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