幹事クリタのコーカイ日誌2007

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1月19日 ● 大河ドラマを超えるドラマ。

 TBSの『華麗なる一族』がNHKの大河ドラマ『風林火山』よりも豪華であることは誰しも感じるところ。キャストはもちろんのこと、衣装にしてもセットにしても大河ドラマは負けていますし、原作も井上靖よりも山崎豊子の方がエンターテイメントとしては面白いよなぁと思ってしまいます。

 『風林火山』を2回見ましたが、戦国マニアならともかく一般には馴染みの薄い山本勘助が主役で、しかもそれを内野聖陽が演じるというのでは、地味にならざるを得ません。人気よりも実力ということで、演技派の俳優で固めているのでドラマとして決して悪くはないのですが、この地味さは何ともならないでしょう。

 NHKも大河よりも豪華絢爛なドラマが民放で作られていることに焦ったわけでもないでしょうが、「大河以上」の新しいドラマを発表しました。大河ドラマ原作の常連・司馬遼太郎の人気作『坂の上の雲』を2009年から全13回で放送するというのです。

 全13回というと、民放の3ヶ月1クールのドラマと同じかと思ってしまいますが、NHKはこれを各90分で2年かけて放送するそうです。と言うことはおおよそ2ヶ月ごとに放送されるわけで、しかも各回の制作費は大河ドラマを超えるということですから、まさにこれまでにない試みです。

 本当は2006年からの放送を目指していたそうですが、脚本家の野沢尚が自殺してしまったために制作が遅れたそうです。あの野沢尚の遺作というのも話題性十分ですが、そもそも『坂の上の雲』自体の映像化というのが、司馬ファンとしてはスペシャルな話題です。

 『竜馬がゆく』『国盗り物語』と並ぶ司馬遼太郎の人気作品でありながら、『坂の上の雲』は日露戦争を日本の自衛戦と捉え、逆に昭和の戦争を厳しく批判する司馬史観が最も直截的に語られている作品であるが故に、様々な批判にさらされてきた問題作であり、これまで一度も映像化されていませんでした。それをよくぞNHKはドラマ化にこぎつけたものです。

 キャストは秋山真之に本木雅弘、秋山好古に阿部寛、正岡子規に香川照之と、これはもう原作のイメージどおりの素晴らしいキャスティングだと思います。これだけで僕はもう見る気満々です。子規の妹律を菅野美穂が演じるというところまでは発表されましたが、それ以外のキャストは追って発表されるようです。東郷平八郎、乃木希典、児玉源太郎、広瀬武夫など明治期の軍人たちや、山本権兵衛、小村寿太郎などの政治家、夏目漱石、高浜虚子ら文化人を誰が演じるのかも楽しみです。

 2008年の大河ドラマ『篤姫』の話題が吹っ飛び、さらに言えばまだ発表されていない2009年大河ドラマをも霞ませるこの“新大河”。受信料不払いで揺れるNHKがそんな豪華ドラマを作ることに賛否はあることでしょうが、僕は続報に期待しています。


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