幹事クリタのコーカイ日誌2007

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1月15日 ● 『ヒミツの花園』&『演歌の女王』第1回。

 連ドラが一気にスタートして、とりあえず録画だけして順番に見ています。注目していたコメディ2本『ヒミツの花園』と『演歌の女王』、初回を見た限りでは明暗を分けた感じです。

 マンガ編集者を主役にした『ヒミツの花園』ですが、残念ながらハズレ。問題のひとつは全体に漂う安っぽさ。そして致命的なのはリアリティのなさ。安っぽさは関西テレビ制作の宿命なので仕方ないにしても、あまりにキャスティングが安上がり。釈由美子に真矢みき、要潤、堺雅人、寺島進って、そりゃあ比較的いまきている俳優陣だとは思いますが、誰かもう少し重みのある人が欲しかったですね。そしてリアリティの欠如は制作側の努力不足もしくは認識不足でしょう。

 コメディというのはもちろんカリカチュアしたりデフォルメしたりすることが必要です。しかし、だからと言って何でもアリというわけではなく、笑いに変換する部分があるだけに、それ以外のところでどうやってリアリティを感じさせて、その落差を見せるかが重要。『のだめカンタービレ』はそれがうまくできていたから、あそこまでマンガチックに演出しても鑑賞に耐えたのですが、『ヒミツの花園』はそこが失敗しています。

 マンガの世界のことを全くわからない編集者をひとりで人気マンガ家のところに行かせる編集長もいないだろうし、その編集者をいじめまくるマンガ家や他誌編集者もいないだろうし、アシスタントもメシスタントもおかずに描いている売れっ子マンガ家も滅多にいないでしょう。男兄弟4人で分業制でマンガを描いているというところだけは、きっと女性4人で描いているマンガ家集団であるCLAMPを参考にしていると思うのですが、結構マンガ家の世界というのは有名なだけに、あれだけ上っ面をなでたような描かれ方をされると白けてしまいます。

 それに比べて『演歌の女王』はさすがにヒットドラマ『女王の教室』のスタッフが作っただけに、押さえるべきところはきちんと押さえながらも、ぶっ飛ぶところをぶっ飛んで笑わせてくれています。日テレ土曜9時らしいマンガチックで荒唐無稽な展開なのですが、その割には「ああ、こういう人いそうだな」と思わせるリアリティがあります。

 それに加えて天海祐希の使い方。大柄で色気に乏しくどこか人工的でかつ不器用そうという彼女のキャラクターを見事に生かした演出。特にアクションシーンのはまり具合。キャスティングは『ヒミツの花園』と大差ない安っぽさなのですが、その中で原田泰造といい段田安則といい池内淳子といい酒井若菜といい温水洋一といい高畑淳子といい、それぞれのキャラにぴったりはまっているところが見事ですし、福田麻由子の使い方も巧み。『女王の教室』を見ていた人なら、天海との逆転した関係に笑わずにいられません。

 ラストぎりぎりのところで原田の隠し子(?)を登場させて次週に引っ張るあたりも含めて、期待通りの出来栄えに今後が楽しみです。難を言えば、第1回ということで説明過多に陥ってスピード感が乏しかったことかな。しかしこれは土曜9時枠ではよくあることなので、次からはもっと期待できると思っています。『ヒミツの花園』はもう1回くらいは見てみますが、その次はないかも。


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