幹事クリタのコーカイ日誌2007

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1月10日 ● ドラマ「東京タワー」第1回。

 月9ドラマ『東京タワー オカンとボクと、時々オトン』が始まりましたが、なんと初回視聴率が14%。他の枠ならいざ知らず月9では大コケです。初回が14%じゃあこのままズルズルと視聴率が下がって、ついには月9初の一桁もあり得ます。それくらい、見ていても「これはダメなんじゃないかなぁ」と感じるドラマでした。

 ダメ出ししたいところはたくさんありました。脚本自体はそれほど悪いわけではありませんが、それはそもそも原作の力があるから。と言っても、いくら原作が良くても同じフジテレビで秋にスペシャルドラマをやったばかりで、すぐに連続ドラマにするのはいかがなものかとは思います。しかも4月には映画化されて公開されるのですから、いくらなんでも使いまわしすぎです。まあこれは映像化全てにOKを出した原作者リリー・フランキーに問題があるのですが。

 次に主演が速水もこみちであること。彼は「レガッタ」で記録的低視聴率を叩き出したのに、それでも月9でいきなり主演させるなんてフジテレビも勇気があります。決してお世辞にも演技は上手いとは言えないし、背が高すぎ、二枚目過ぎで役柄と全くイメージが合いません。その上、現代的なルックスをしているのに、髪を黒く染めて切ったので、関口宏のジュニア関口知宏と印象が似通ってしまいました。演技派でもないルックスだけの俳優がわざとダサく見せたら、魅力は全く感じられません。

 もこみちと絡む俳優陣もミスキャスト。オカンの倍賞美津子60才、オトンの泉谷しげる58才、ともに老け過ぎ。小学生時代の子役はもとより、役の上では18才のもこみちと一緒にいても、いったいいくつの時の子だよ、と突っ込みたくなります。40代後半、せいぜい50才そこそこの俳優をキャスティングして欲しかったところです。

 なにより一番問題なのは時代設定。どういうわけか、「ボク」が上京してくるのが1989年ということになっています。1963年生まれのリリー・フランキーはこの時にはすでに26才。なのに、なぜ時代をここまで後ろにずらす必要があるのでしょう?お陰で時代背景がめちゃくちゃです。いくら筑豊が田舎だとは言え、1980年代にあんな「三丁目の夕日」的な世界があったとは思えません。もう少し現代的になっているでしょう。

 それに1989年と言えば日本中がバブル真っ盛り。東京なんて毎日がお祭り騒ぎだったはずなのに、それにしては話が1970年代的で地味過ぎます。ホイチョイのマンガでも読んで当時の世相を研究して欲しいものです。と言うか、東京ロケになると今度は風景が進み過ぎていて1989年にも見えないですしね。あれはまんま現代の東京でしょう。変にダサめのファッションをしているもこみちが浮きすぎです。せめて香椎由宇の眉毛は太く、前髪は立てて肩パッドして欲しかったです。

 制作予算がなくて1970年代の東京が再現できないから、無理に数年後ろに時代をずらしたのかも知れませんが、どっちにしたって同じことです。時代が近くなった分だけ、ディテールまで覚えている人がたくさんいるのですから、突っ込みどころがかえって増えてしまいました。ずらすなら『白い巨塔』のようにいっそ設定を現代にすべきでした。まあそれでこの話が成立するかどうかは知りませんけど。

 これからしばらくは東京での「ボク」と「彼女」の恋愛話が展開しそうですが、そうなるとますますオカンの出番が少なくなって、ドラマの売りがありません。この話はそもそもがマゾコン男の全面肯定なわけですから、若い男女の恋愛ドラマをダラダラとやったら原作ファンは離れていくばかりでしょう。コメディタッチでもないので、前クールの「のだめ」ファンも見ないでしょうし、いよいよ悪夢の月9一桁視聴率が見られるかも。もこみちも正念場です。

 

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