幹事クリタのコーカイ日誌2006

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12月17日 ● 包茎はエイズになりやすい?

 なんだか奇妙な実験結果が発表されたようです。こちらによると、包茎手術を受けた男性は受けていない男性よりもHIV感染率が約半分になるそうです。「包茎の男性器は粘膜質の部分が多いため、HIVへの感染率が高いとみられる」だそうですが、おもしろ半分の眉唾ネタとしては良いかも知れませんが、にわかにはそんな理由では信じがたい気もします。真性包茎と仮性包茎でも全然条件が違うだろうし、それに半分になったと言っても、半分は感染するのですからね。1%になったとか、劇的に差があるのならともかく、この程度ではあまり感染予防に意味があるとも思えません。

 そもそも実験そのものが本当にそんなことが可能なのかどうなのかよくわかりません。ケニアとウガンダで7780人のHIVに感染していない男性被験者から、無作為に抽出した一部の男性に包茎手術を施し、HIV感染率を比較した、ということなんですが、7780人の男性が全員コンドームをつけずにHIV感染した女性と均等に性交渉をしたのでしょうか?同じ条件で同じ回数の性交渉を全員がしない限り、比較しても意味はないと思うのですが。

 これが動物実験のマウスなら理性はないですから、何も考えずにどんどん生殖活動に励むでしょう。しかしケニアやウガンダの男性はれっきとした知性のある人類です。なのにHIV感染するかも知れない実験にどうして協力するのでしょう?7780人の全員に「これからあなたたちが一定期間内にHIV感染するかどうか実験しますから、HIV感染している女性と同じ頻度で必ずナマでセックスしてください」と説明して了承を取ったのでしょうか?

 そして、包茎手術を施した男性たちには、どうして手術するのか、その目的を教えないで手術をしたのでしょうか?もし手術の目的を教えていないのなら、それは随分と非人道的な行為だと思います。嘘の理由で手術されるなんて普通あり得ないでしょう。そしてもし手術の目的を教えられていたら、当然性交渉する時に感染しないように少しは気をつけることでしょうし、手術していない男性には何も教えていなかったら条件は全く異なってしまいます。それに包茎かどうかは本人が名乗り出てくれないことには普通わかりません。7780人ものHIV感染していない包茎男性を集めようとしたら、やはり実験の目的を告知して「集え!包茎の男性」と募集するしかないと思いますが、そんな広告はあまりにも怪し過ぎます。

 ケニアやウガンダは世界でももっともHIV感染率が高い国のひとつとして知られていますが、だからと言って、現在感染していない男性を敢えて感染させるような実験がそもそも人道的に許されるのでしょうか?実験を成功させるには、確実にある一定量の感染者が出現しなければなりません。しかも、調査期間内は被験者を放置しているわけですから、その感染した男性からさらにまたパートナーの女性へと感染していくわけです。どんどんHIV感染が広まっていかなければならない実験なんて、どう考えたってやり過ぎでしょう。

 このニュースのイヤなところは、アメリカ人がアフリカで行ったということです。どうしても人種差別的なニュアンスを感じます。アフリカの黒人ならどれだけHIV感染しようが構わないじゃないか、どうせ奴ら何も考えずに動物みたいにやりまくるしか能がないんだから、ほっといてもどんどん感染するだろうよ、イエー!という感じです。同じ人間扱いしているとはとても思えません。同じ実験をアメリカ国内で行ってみろよ、と思います。どれほどマスコミに叩かれることか。

 結局このニュースは、包茎手術を促進したい整形外科あたりがスポンサーになっているガセネタではないのかと睨んでいます。だって「エイズ被害が深刻な開発途上国などに対し、手術の普及や技術支援の拡大を検討する」なんて書いてありますから、明らかに一番得するのは手術する外科医です。包茎手術する前にコンドームを配れよ、まったく。


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