昨日の続きです。まだ読んでいない方はこちらからどうぞ。

　ワンボックスから降りてきた怖そうな税関の男性４人に囲まれたＭっちゃん。彼らは「捜査令状を持ってきました」と言って、いきなりＭっちゃんの家の玄関先で令状を読み上げ始めました。「ご了承いただけますね」と言われて、頷くしかないＭっちゃん。

　税関はどかどかとＭっちゃんの家に踏み込みます。Ｍっちゃんのマックを調べ、机を調べ、押入れの中まで捜索します。強制捜査ですから、必要とあらば全て差し押さえて持っていけるらしく、どんどん差し押さえられてしまいそうになり、顔面蒼白で見つめるＭっちゃん。さらにＭっちゃんの奥さんのＰＣや、お父さんの部屋のＰＣまで差し押さえられそうになってＭっちゃんは本気で慌てふためきます。こんなことが奥さんにバレたら離婚の危機かも。幸い平日の昼間なのでお父さんも奥さんも出かけていて留守。家にいたのはお母さんだけでしたから、Ｍっちゃんは心配そうな顔で見つめるお母さんに「大丈夫、心配ないから」と言ってなだめます。

　どうやら税関は、Ｍっちゃんが裏ＤＶＤを海外から密輸して、それを不法コピーして販売している業者ではないかと疑っての家宅捜査だったようです。１３枚もの大量の裏ＤＶＤを購入したこと、税関からの呼び出しに対してのらりくらりとかわして応じなかった態度に、「一般人ではない」と判断されたようで、そういう意味では２ちゃんねるのアドバイスが逆効果になりました。

　Ｍっちゃんのマックを調べ、発注履歴を確かめたところ、今回が初めてだったことがわかり、またＭっちゃんが隠し持っていたエロＤＶＤ１００枚近くが発見されたものの、不法コピーしていた様子がないことから「こいつは業者ではなく単なるマニア」だと判断されたようで、ようやく強面の税関の人たちも態度が柔和になったそうです。

　結局Ｍっちゃんは裏ＤＶＤ数十枚と通販サイトで発注した際に使ったクレジットカードを押収されたものの、奥さんやお父さんのＰＣはもちろん、自分のマックも差し押さえられるのは免れて助かりました。これならお母さんさえ丸め込めば、この事件が奥さんにバレないで済みそうです。玄関先で捜査令状を読み上げられたのをご近所が見ていなくて幸いです。

　その後、改めて税関から呼び出されたＭっちゃんは、有休を取って関空で取調べを受けてきました。取調べ室でなんと５時間にわたって徹底的に絞り上げられたようです。なんと相手はＭっちゃんの来歴を全て調べ上げていて、記憶喪失気味のＭっちゃんが忘れているようなことまで知っていたそうです。うちの会社を辞めた理由も「何かやったのか？」と問い詰められたとか。国家権力は怖いです。いざとなればプライバシーなどありません。

　ともあれ、取調べを受けて何とか行政処分として罰金だけで済みそうだということになってＭっちゃんも一安心。危うく前科持ちになるところでしたが、大事にいたらずに済みました。ぎりぎりのところで首の皮一枚セーフになるのがいつものＭっちゃんのパターンですから、今回も少々高い授業料を払いましたが、人生をパーにすることはありませんでした。

　いまＭっちゃんの関心は「裏モノをパッケージではなくダウンロード購入するならずっと安く済むし税関にもバレないだろうけど、マックに対応していないからどうしたらいい？」ってことです。そんなものはさっさと通販で安いウィンドウズマシンを買えばいいことなんですけどね。今回の罰金よりもきっと安くあがりますよ。