幹事クリタのコーカイ日誌2006

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11月26日 ● 自民党の「筋」と「情」。

 自民党の郵政造反議員の復党問題が暗礁に乗り上げているようです。本音を言えば自民党は戻ってきて欲しいし、造反議員たちは復党したい、相思相愛なのは見え見えなのですが、いろいろな利害が絡まって「はい戻りました」とはいかないので揉めに揉めているわけです。

 中川幹事長は「政治は情も大切だが筋も大切だ」と繰り返し言っています。「情」とは昔の仲間なんだから堅いことを言わずに迎え入れてやろうじゃないかということですし、「筋」というのは一度ケツをまくって出ていったのに何の挨拶もなくおいそれとは戻せない、指の一本も詰めろ、ということです。

 正直言って、どちらも政治家の言葉ではなくヤクザの言葉としか思えません。政治家に必要なのは「情」でも「筋」でもなく、論理的で合理的な「言葉」であろうと思いますが、日本の政治家の辞書には「論理」とか「合理性」とかいう言葉は載っていないようです。「筋」ではなく「筋道」が通っていなければ国際的には通用しないでしょう。今の中川幹事長の語っていることを欧米の政治家にどう説明したら理解してもらえるのかわかりません。

 また造反議員に対する「踏み絵」というのも「筋」の類義語です。なぜ普通に「郵政法案に賛成しますから復党します」というだけではダメで、わざわざ辛い屈辱的な「踏み絵」などという行為をしなければならないのか。もちろんそれが「筋」を通すためであり、それをしてくれないと納得できないからです。

 納得というのは西洋的な論理が通っていればそれで良いわけではなく、「筋」を通して「情」にも訴えかけることで、関係者の「頭」ではなく「心」がOKを出さなければならないのです。だからこそ「踏み絵」は屈辱的なことをしなければいけないわけで、そうじゃないとハートには響きません。

 まあしかしここまで話がこじれると、両者が納得できる「落としどころ」(これまた日本的な言葉)はなかなか見つかりません。しばらくは棚上げしておいて、もう少しほとぼりが覚める(またまた日本的)頃にこっそり戻ればいいんじゃないでしょうか?


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