恐らくコアなテニスファン以外は興味がないかも知れませんが、いま上海で「マスターズカップ」という男子の大会が開催されています。これは今年１年のポイント上位８名による今季最終戦。いわばテニスのオールスター戦であり、ワールドシリーズなわけです。

　８人の選手が４人ずつ２組にわかれてラウンドロビン（総当たり戦）を行い、各組上位２名ずつによってトーナメントで優勝を争います。去年は上位選手が軒並み故障で欠場し、１位のフェデラーも足の故障をおして決勝まで戦ったのですが、最後にナルバンディアンに屈してしまいました。

　今年は順当に上位選手が出場していますが、体調が万全なら大本命はフェデラーであることに間違いありません。対抗はナダルということになるんでしょうが、クレーコートの王者もハードコートではまだまだフェデラーには分が悪いですし、他にフェデラーを脅かすような選手は見当たりません。

　強いてナダル以外の対抗馬を挙げれば、ブレークとロディックの２人のアメリカ人です。アメリカの選手はハードコート育ちだけに、上海のコートでは力を発揮することでしょう。ブレークは成長著しく、早速ラウンドロビン初戦でナダルを撃破しました。その攻撃力の高さがフェデラーに通用するかどうか。

　往年のチャンピオンであるコナーズをコーチにつけてからのロディックの復活ぶりも目ざましいものがあります。世界最速のサーブを持ちながら力を持て余していた感があったロディックですが、全米オープンでは決勝まで進出しました。この時はフェデラーに破れましたが、上海でそのリベンジがなるかも知れません。