幹事クリタのコーカイ日誌2006

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11月10日 ● ネタバレ注意と言うほどのネタか?

 よく個人のweb日記やブログなどを読んでいると「ネタバレ注意」などと喚起していることがあります。小説や映画などの感想を書いてあるのですが、そこでストーリーに触れているから未見の人は気をつけてね、ということです。ご親切なことです。

 しかし、その内容を読んでみると全然ネタバレなんかしてないじゃん、ということが大半です。僕が思う「ネタバレ」というのは例えば推理小説の犯人を教えてしまうようなこと。『オリエント急行殺人事件』の犯人を途中で知ってしまったら興醒めです。また映画『シックスセンス』のラストを最初に教えてしまうのも確かに「おいおい、勘弁してくれよ」でしょう。

 そういう作品の根幹に関わる部分、それをあらかじめ知ってしまったら、その作品の楽しみがなくなるようなことなら、確かに「ネタバレ注意」です。しかし、例えば恋愛映画のストーリーなんて、最後まで書いてあって知ってしまったところでどうってことありません。ハッピーエンドか悲劇の別れかどっちかなんですから、大体見ていれば途中で想像がつきます。

 ましてや原作のある映画やドラマなんて、ネタバレもなにもありません。みんなストーリーを知った上で楽しむようにできているのですから。例えばハリーポッターやロード・オブ・ザ・リングはストーリーや世界観を全く知らないよりも、むしろある程度予備知識を持って見た方が楽しめます。なんでもかんでも「ネタバレ注意」ではないと思うのです。

 なのに少しでも作品の内容に触れるようなことが書いてあると「ネタバレ注意」とするのが当然だと思っている人は、きっとすごく浅い楽しみ方をしているのだろうと想像してしまいます。結末が全て、ストーリーが全て。そんな楽しみ方しかできないのだろうなぁと。映画でも小説でも演劇でも、ストーリーを追うだけが作品の面白さではありません。もしそうなら落語や歌舞伎やシェイクスピアのような古典芸能は楽しめなくなってしまいます。

 あらかじめ作品に対する予備知識をきちんと調べておいて、十分に作品世界楽しみたい僕としては、むしろ「ネタバレ注意というほどのネタもないじゃないか」と思うことが多々あります。そう言えば、観光地に下調べを全くしないで来る人も多いですが、それじゃあ観光に来ても楽しみ半減でしょう。だってピラミッドを単なる大きな石の山だと思って感心しているだけじゃバカでしょ?京都や奈良は歴史の知識なくして観光してもほとんど無意味です。だから修学旅行生が退屈しちゃうんですから。ネタの仕込みが大事なのはマジックだけじゃないと思いますが。


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