資生堂の「椿」の広告キャラクターに日本を代表するような美人女優が６人（仲間由紀恵、広末涼子、竹内結子、田中麗奈、上原多香子、観月ありさ）出演した後、第２弾の夏編の６人（黒木メイサ、荒川静香、森泉、吹石一恵、香里奈、相沢紗世）ではかなり格落ち感がありました。ただあれはほとんど荒川静香を見せるためのバージョンだったと僕は理解しています。本当は旬の荒川静香こそが「日本の女性は美しい」という椿の広告コンセプトにぴったりだと判断したのでしょうが、さすがに１人じゃもたないと思って６人揃えたのではないかと勝手に思っています。

　しかし、荒川静香の人気はわかりますが、彼女を美人女優やモデルたちと同列以上で「美しい」とすることに抵抗があった人も多かったのではないかと思います。僕の周りでも女性は「荒川静香って美人」という人が結構いましたが、男性の間では「それほどのものか？」という声が多かったように思います。

　で、あのオリコンが調べた「スポーツ界の美男・美女ランキング」が発表されました。スポーツ選手のこうした人気調査はその時の「旬」が大きく順位を左右するのですが、それよりも面白かったのは男女でかなり人気に差がある選手がいたこと。

　例えば「イケメン」ではサッカーの宮本は女性１位で男性では４位。逆にイチローは女性５位で男性２位です。男が憧れるイチローと女性に色気を感じさせる宮本という差がはっきり出ています。同様に「美人」ではビーチバレーの浅尾美和が男性１位なのに女性では５位にも入っておらずハッキリと差がつきました。そして荒川静香も女性１位なのに男性５位と大きな差が出たのです。

　浅尾美和の親しみやすさと荒川静香のクールビューティぶりは同じスポーツ選手と言っても実に対照的です。浅尾美和を好きな男はちょっと前なら吉岡美穂、最近なら長澤まさみとか安田美沙子とかがきっと好きだと思います。女性からすると「男ってこういう女が好きなのよねぇ」ってことになるんでしょう。「可愛い」と「ブリッコ」のぎりぎりのラインです。

　が、逆に男から見たら荒川静香は男に対する媚びを全く感じさせない強さがあります。それがあの目やあの顎に象徴的に顕れているだけに「あれは美人か？」ということになるのだと思います。もちろん、だからこそ若い女性向け商品である椿の広告キャラクターとしてはぴったりなんですけどね。

　ちなみに僕個人の好みを言えば、若い頃はやはり浅尾美和系が大好きでした。しかし年齢を重ねるにつれて、荒川静香系の方が面白くなってきました。男に媚びることがない突っ張った感じがするあたりが逆にチャーミングだと思うようになったのです。逆に言えば４０代も半ばになって相変わらずブリッコお嬢さんを可愛いと言って鼻の下を伸ばしているのは、さすがにみっともないだろうと言うことなんですけどね。でも騙されているオヤジ、たくさんいますよね？