幹事クリタのコーカイ日誌2006

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10月5日 ● 医師なら誰でも良いのか。

 昨日の主役のアマゾン(眼科医)から聞いた話ですが、いま日本では、特に地方では医師不足問題が深刻化しているそうです。とりわけ医師の充足率が低いのは東北地方。全国最低の青森県などは充足率が43%だというのですから、本当にひどい医師不足です。

 しかも足りないのは産科・小児科と救急。要は激務で24時間気が抜けなくて、しかも医療事故などで訴訟リスクが高いから、みんな逃げてしまうらしいのです。緊急性が高く生き死にに関わるからこそ、多くの医師に待機していて欲しいのに、その特性ゆえに医師不足になるなんて皮肉な話です。

 もちろん行政もただ傍観しているわけではなく、いろいろと手を打っているらしいのですが、即効性がある施策がそうそうあるはずもなく、当分は地方で出産子育てするのはリスキーなままのようです。

 まあ今後医師不足の地域の医学部の定員を増やしたりすることも含めて、医師をどう地方に配分していくのかはいろいろと考えていかなければならないのでしょうが、こういう時にひとつ疑問に思うのは「医師なら誰でも良いのか?」ということ。つまり頭数だけ足りていればそれでよしとされるのは、命を預ける相手だけにとても不安です。

 他の業種、特に専門性の高い業種で考えればわかることですが、同じ仕事をしているからと言っても、その能力差は驚くほどあります。例えば僕がやっているコピーライターの世界でも、日本でコピーを書いている人間がどれだけいるかわかりませんが、仮に5万人(数字は全くの憶測ですから、全然違うかも知れません)いたとして、そのうち恐らく45000人はちょっと気の利いた一般人並の能力しかないと思います。

 残る5000人のうち200人くらいが本当に優れた企画力と実行力を持ったトップクラスの人で、僕も含めた4800人くらいが、一応プロとして何とかやっているかな〜くらい。もし仕事を依頼するのなら、その5000人くらいの人たちに依頼した方が良いと思うのですが、実際にはかなりいい加減な人たちにも仕事が回っているようです。

 ただ広告制作では当たり外れがあっても、まずミスで人は死にませんから最悪な事態にはなりませんけど、医師はそうもいきません。表立ってミスにはならないまでも、助かるものも助からなかったということなんて、いくらでもあることでしょう。医師不足を解消した代わりにそんな「ハズレ」医師ばかりになるのも本当に困りますから、質の充実もぜひ合わせて検討して欲しいと思います。


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