幹事クリタのコーカイ日誌2006

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8月23日 ● 生まれたての野球伝説。

 歴史とか伝説というのは、こうして作られていくのだということが、目前にあってよくわかった今年の甲子園。早稲田実業と駒大苫小牧の2日間にわたる決勝戦は高校サッカーのように「両校優勝」で良かったのではないかと思いつつ、それでもあえて決着をつけるのが高校野球のやり方なんだろうと感じていました。

 いまの10代の若い野球ファンは、今年の決勝戦をずっと伝説として語り継いでいくことでしょう。20代なら横浜・松坂大輔の春夏連覇や星稜・松井秀喜の5連続敬遠を、30代ならPL学園の桑田・清原の圧倒的な強さや、箕島vs星稜の延長18回の死闘を、そして40代は作新学院・江川卓の剛速球や、東邦・バンビ坂本の爽やかな笑顔を、甲子園の「伝説」として記憶にとどめていくのと同じように。

 さすがに古い高校野球ファンの僕でも、記憶にある一番古い「伝説」は37年前、前回の決勝再試合である松山商と三沢の熱戦がギリギリです。それとて8歳の時の記憶ですから、濃密に思い出せるわけではなく、むしろ両親が騒いでいたのを隣で「そんなにすごいことなのか」と感じていたくらいです。

 その当時、僕はちょうどスポーツ好きの血が目覚め始めた頃で、野球に限らず相撲も陸上も水泳もサッカーもバレーボールもボクシングも、とにかくテレビで中継するスポーツは何でも見ていましたし、新聞のスポーツ欄も食い入るように読んでいました。

 今でも当時の日本のトップアスリートたちのことは強く印象に残っています。野球の長島茂雄、王貞治はもとより、大相撲の大鵬、玉の海、サッカーの釜本邦茂、体操の加藤沢男、マラソンの君原健二、ボクシングのファイティング原田らが小学3年生の僕のヒーローであり、その中に三沢高校の太田幸司も加わったのでした。

 「伝説」になるには、単に「強いだけ」ではなく、何らかのドラマが必要ですし、そういうヒーローたちはドラマを生み出す「運」を持っています。駒大苫小牧の田中と早稲田実業の斉藤には、その「運」がありました。2人で作ったこの生まれたての「伝説」が、これからますます輝きを増すには、今後の2人の野球人生がどう交わっていくかにもよります。まるで少年野球マンガのようなドラマを期待したいと思います。


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